糖尿病を急激に治しすぎると逆効果

2015.07.13

本日は白内障手術10件行いました。。1名は緑内障発作術後で前房がとても浅くなっていて、角膜内皮も700と少なくなっていましたが、とてもきれいに手術が出来ました。

もう1名は円背(背中がまるくなる)があって、姿勢保持に不安がありました。体力がもたなければ片目だけの手術にしましょうと言いましたが、結局両眼ともに手術をすることが出来ました。

  糖尿病を急激に治しすぎると逆効果

 糖尿病は文字通り、糖が体に悪さをする病気です。そのため、内科に行くと血糖を下げる治療を行います。血液中に糖分が多いと、体内に糖分を取り込まなくすることによって体を守る仕組みができます。そのため、急激に血糖が低下すると、体内では激しい飢餓状態になってしまいます。

そのような場合でも、高血糖が続くのと同じように糖尿病網膜症が急激に進行することがあります。今回はそのような人の話です。

 60才代の男性です。糖尿病(このときのHbA1c 8)があるという事で眼底検査をしました。

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 良く見るとわずかに出血はありますが、おおむね綺麗です。。

しばらく外来で様子を見ていたのですが、ある時期を境に網膜症が出てきて急激に悪化してきました。

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 上の写真の1年後

急激に網膜出血が増えました。レーザー治療しましょうと言いましたが拒否されてしまいました。そのうち黄斑浮腫も出てきました。

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 黄斑が膨れています。

そのため、以前まで両眼視力1.2あったのですが、このときは右0.3左0.8まで視力が下がっていました。それでも本人は「いや、見えているはず!」と言って治療を受けてくれませんでした。黄斑浮腫は今では良い治療方法があるのですが、あまり放っておくと治療の効果が減少してしまいます。

 

糖尿病の治療がどうなっているか調べたところ、もともとHbA1c14.8あったのですが、4か月で5台まで下げて、以後ずっと5を維持しているという事でした。高血糖ももちろん危険な状態ですが、今回の網膜症はむしろ血糖値の下げ過ぎで起きた可能性があります。血糖値が良い分、「自分に糖尿病網膜症は起きないはず」と思っていたのかもしれません。この方はその後音信不通になってしまいました・・・

糖尿病の啓発はとても大事だと痛感しました。家族のフォローでもあると良いのですが。