もりや眼科ブログ

森谷充雄の眼科ブログ

月別 アーカイブ: 2013年6月

もりや眼科 平成25年6月の手術実績

2013.06.30

もりや眼科 平成256月の手術実績

 

白内障手術  31

霰粒腫摘出術 4

後発白内障に対するレーザー治療 1

網膜レーザー光凝固術 7

眼瞼痙攣に対するボトックス治療 2

 

今月は、宇都宮や仙台からも患者さんが来てくださいました。

今回ボトックスを行ったうちの1名は、眼瞼痙攣の診断がつかずに10年以上悩んでいたようでした。痙攣が収まってとても喜んでいました。

これで当院が開院してから丁度1年になりましたが、今後もさらに頑張ろうと思います。

 

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糖尿病網膜症で網膜に起きる変化3(新生血管、硝子体出血)

2013.06.24

今日は白内障手術8件

霰粒腫1件行いました。難しい症例もありましたが、無事に終わりました。
 

 糖尿病網膜症で網膜に起きる変化3(新生血管、硝子体出血)
 

網膜は血液を大量に必要とするので、そのぶん血管が張り巡らされています。糖尿病網膜症で血管が傷むと、そのぶん血流が悪くなり、網膜に十分血液が行かなくなってしまいます。そうすると、血液の足りなくなった網膜は血液を手に入れるために血管を作り始めます。これを新生血管といいます。

 虚血

羊に例えると、上段は牧草(血液)が十分にあるため、羊(網膜)が満足している様子です。しかし、糖尿病が進むと牧草(血液)が減ってしまうので、羊(網膜)が怒り出してしまい、周囲にいろいろな悪さをするわけです。

 

以前お話した軟性白斑と同様、この新生血管が少しでも認められたら、糖尿病網膜症が活発であるサインです。そのため、積極的に治療を行わなければなりません。

 

新生血管は、できる場所によっては緑内障を引き起こすこともありますが、硝子体出血を引き起こすことがあります。硝子体出血とは、眼球内に出血してしまうことをいいます。

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眼の中は本来透明なのですが、ほんの少しの硝子体出血で濁ってしまいます。そのため、発症と同時に視力が急激に低下することが多いです。

 硝子体出血

 これが硝子体出血の写真です。眼球内にたまった血液のせいで、眼底がほとんど見えません。左上のほうだけ、少し網膜の様子がわかります。

 

 硝子体出血 術後 

これは、手術で出血を取った後の写真です。眼底がはっきり見えます。


糖尿病網膜症で網膜に起きる変化(硬性白斑、増殖膜)

2013.06.17

本日は白内障手術を7件行いました。
皆さん無事に手術を終えました。

糖尿病網膜症で網膜に起きる変化(硬性白斑、増殖膜)

 

糖尿病になると、網膜の血管が傷むという話を前回しました。傷んだ血管からは、血液の成分が漏れ出てしまいます。漏れ出た成分が多くなると、体に吸収されずに網膜上に残ってしまいます。これを硬性白斑といいます。

硬性白斑

前回お話した、軟性白斑は「現在血液が足りてませんよ」という危険なサインでした。それに対して、硬性白斑は「血管が傷んでますよ」とは言えるものの、軟性白斑ほど危険なサインではありません。そのため、硬性白斑が増えていかないかどうかを見るだけで良いと思います。

あまり悪さをしない硬性白斑ですが、たまに黄斑上にでて視力をグッと下げてしまうことがあるので注意が必要です。

 

糖尿病網膜症が進行した場合、血液不足で網膜が死にそうになりながらも、なんとか助かろうと網膜が自己修復を始めます。この様な活動が活発になったとき、網膜の表面に増殖膜という膜が生じます。

この膜が生じたときは、とても危ないサインです。網膜の表面に生じた増殖膜は、段々縮んでいくという性質があります。そのために、網膜剥離をひっぺがしてしまい、網膜剥離になってしまうのです。

 増殖膜

青矢印の先が増殖膜です。増殖膜が網膜を引っ張っているので、網膜にシワが寄っています。これを見つけたら、硝子体手術をしなくてはなりません。手術で増殖膜を取ることで、網膜剥離をふせぎます。ただ、増殖膜と網膜はがっちりくっついていることも多く、手術の難易度は高いと言えます。

 

 


糖尿病網膜症で網膜に起きる変化(点状出血、軟性白斑)

2013.06.10

本日は、白内障手術 9件を行いました。
無事に手術を終えました。

糖尿病網膜症で網膜に起きる変化(点状出血、軟性白斑)


糖尿病になると、目の中の血流が悪くなります。そうすると、網膜の血管がだんだん傷んできます。

糖尿病網膜症になって、初めに生じる網膜の変化は大体の場合点状出血です。これは、網膜の血管が傷んだことにより、少量の血液が漏れ出るために生じます。ですから、これが1つでもあると、「あなたは糖尿病網膜症です」と診断されます。糖尿病がある程度悪くないと生じない変化なのです。

点状出血

赤い矢印の部分が点状出血です。文字通り、点のような出血を認めます。


もっともっと網膜の血流が悪くなると、網膜が一部白っぽくなってきます。これは「今現在この部分に血液が足りてないですよ」というサインです。糖尿病網膜症がこれから悪くなっていきますよ、という事なのでレーザー治療が必要になります。

軟性白斑

この白っぽいのが軟性白斑です。腕を強く縛ると、虚血になって白くなっていくと思いますが、それと同じようなものだと思うと分かりやすいと思います。

これは先ほどと同じ方、同じ部分で、レーザー治療をした後の写真です。赤矢印の部分の軟性白斑が無くなっています。緑の部分に少しだけ軟性白斑があります。

軟性白斑2
もう少し後の写真です。前回あった、小さな軟性白斑もなくなりました。
軟性白斑3


糖尿病網膜症という病気

2013.06.03

本日は
白内障手術 7件
すべて無事に終わりました。

糖尿病網膜症という病気


糖尿病は緑内障に次いで現在失明の原因2位の病気で、毎年3千人が失明しています。また、糖尿病網膜症による失明者は年々増加しており、眼科医にとって悩ましい疾患の一つです。糖尿病網膜症は、糖尿病の重症度とともに、糖尿病である期間が長いと生じやすい事が知られています。


DM合併

糖尿病網膜症、高血圧、動脈硬化などで網膜の血管が詰まると、以下が起こります。

① 血液の流れが悪くなり、網膜に小さな出血が出現します

② 血液が流れていない部分(無血管野)に、非常に出血しやすい新生血管ができます

③ 網膜に浮腫がおこり、視力が急激に低下します

④ 新生血管から出血し、視力が急激に低下します

⑤ 網膜にかさぶたのような膜(増殖膜)ができます

⑥ 増殖膜が網膜を引き剥がします(網膜剥離)

⑦ 最終的には失明に至ります


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右の眼底写真は、正常な眼底写真です。左の眼底写真は糖尿病網膜症がかなり進行した眼底写真です。進行した糖尿病網膜症に特有な新生血管、硝子体出血、増殖膜が生じています。こうなってしまうと硝子体手術が必要になりますし、視力がなかなか改善しないことになってしまいます。