近視手術(ICL)について
眼内コンタクトレンズ治療 ICL
眼内コンタクトレンズ治療は、レンズを目の中に入れて視力を矯正する治療法です。
インプランタブルコンタクトレンズ(Implantable Contact Lens)を略してICL治療と呼んだり、フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)治療と呼ばれることもあります。レンズは茶目(虹彩)の後ろ側と水晶体の前面の間に固定しますので外から見てもわかりません。

角膜を削らない視力回復
眼内コンタクトレンズ治療は、角膜を削らない視力矯正法で、あざやかな見え方でドライアイや夜間のハロー・グレアの出現が少なく、長期安定性に優れた結果が期待されます。
院長からのメッセージ
もともと強度近視かつ乱視が強かったため、レーシック手術を受けることができず、趣味のトレイルマラソンをするときに眼鏡がどうしても邪魔になっていました。
そこで、2017年2月に私もICLの手術を受けました。
近視は病気ではないとされていているため、健康保険が使用できないなどのデメリットがありますが、眼鏡での生活に不便を感じている方は治療の選択肢の一つとしてご検討ください。

ICLインストラクター認定医師による施術
これまでの当院でのICL手術実績が認められ、2021年2月に森谷院長がICLインストラクターの認定を受けることが出来ました。

もりや眼科では定期的に無料説明会を実施しております。
ICLについて正しい知識と理解を深めていただく良い機会になればと思います。
手術に興味をお持ちの方、手術を迷われている方は検査を受ける前にお気軽にご参加ください。手術の様子を撮影したビデオ、当院での手術実績などをお示しします。


手術件数について
もりや眼科はICLの毎年の手術件数を公表しています。
手術実績はこちら解説動画
眼内コンタクトレンズ治療 アニメーション
眼内コンタクトレンズ治療プロモーション映像
IPCLについて
IPCLはスウェーデンにあるAddVision社による新しい後房型の有水晶体眼内レンズです。
2017年にヨーロッパにてCEマーク(安全性)を取得。全世界40カ国以上で20万件以上の実績があります。日本では2015年より使用実績があり、また、2025年に厚生省による認証を受けました。もりや眼科ではこの認証をきっかけに使用を始めることになりました。
IPCLは「ハイブリット親水性アクリル」で作られています。ハイブリット素材を採用したことにより、タンパク質などの粒子が付着しにくく「エクセレントクリアーサーフェイス」という新しい技術により、コラマー素材よりもレンズの表面構造がスムーズでクリアなため、見え方の質が高いことが証明されています。眼内でレンズを安定して固定するため6つの支持部(ICLは4つ)をもつ構造をしており、さらに房水の循環を促進する7つのホール(ICLは1つのみ)が設置され、白内障や緑内障の発症予防に配慮され安全性を向上させています。
2.8ミリという小切開にてレンズを挿入することができる点、近視は-30D、遠視は+15D、乱視も10Dまで対応できるため、従来ICLでは対応不能であった症例でも対応できる場合があります。
IPCLは多焦点IPCL(Presbyopic IPCL V2.0)もあります。回折型3焦点構造で近方加入度数は+1.5D/0.8D、+2.0D/1.1D、+2.5D/1.3D、+3.0D/1.6D、+3.5D/1.8D(+1.0/0.55D、+4.0/2.1Dまでカスタムメイド可能)が選択できます。いずれも遠方に50%、近方に30%、中間に20%のエネルギーが配分されます。
多焦点レンズは光を配分する原理上、若干のコントラスト感度低下と暗所でのハログレアの発生がみられますが、単焦点レンズに比べて明視域が広くなるため、老眼鏡なしでの手元の見え方を改善することが可能です。多焦点IPCL(Presbyopic IPCL V2.0)は中央部から周辺部にステップ高が低くなる特殊構造により、回折型であるにもかかわらず光エネルギーロスが10%以下でハログレアの発生が最小限に抑えられています。
個々のライフスタイルにあわせて優位眼(利き目)に単焦点IPCL、非優位眼に多焦点IPCLを挿入するという選択肢もあります。

ICL、IPCLの特長
目にやさしい生体適合性の高い素材
目の中に入れるレンズは、ソフトコンタクトレンズのような柔らかい無色透明の素材です。
有害な紫外線をカットする機能もあります。
半永久的に使用可能です。
ずっとお手入れ不要で取り出すことも可能
目の中のレンズは、くもったり汚れたりしないので、日々のお手入れやメンテナンスは不要です。目の中でゴロつきを感じることもありません。治療後に必要が生じた場合はレンズを取り出して元の状態に戻すことが出来ます。
日帰り治療で回復も早い
眼内コンタクトレンズ治療の治療は、レンズを専用の器具で目の中に入れます。
麻酔は目薬だけですから痛くありません。また傷口が約3ミリと小さいので回復が早く日帰りで可能です。縫合や抜糸の必要もありません。
角膜を削らない大きな光学系
眼内コンタクトレンズ治療なら、角膜を削らないので角膜の形がほとんど変化しません。また光学系が大きく確保できるため、夜間に問題となるハロー・グレアの抑制による、優れた見え方が期待されます。
将来の目の病気の治療に影響を与えません
眼内コンタクトレンズ治療のレンズは、取り外して元の状態に戻すことができるので、将来白内障などの目の病気になった際に、治療の選択肢が狭まるようなことがありません。
ICLの対象
他の目の病気(緑内障や白内障など)や全身疾患のない近視や乱視の方が対象になります。
強度の近視や角膜の薄い場合も対象になります。目の形状や状態、他の疾患をお持ちの場合は治療を受けられない場合があります。詳しくは医師の検査を受けてください。
手術の流れ
眼内コンタクトレンズ挿入 イメージ映像
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角膜の切開
瞳孔を拡大させ、点眼麻酔をして、角膜の緑を約3ミリ切開します。
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レンズ挿入
切開した部分からレンズを目の中に入れます。
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レンズの固定
レンズを虹彩と水晶体の間に固定します。
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後処理
瞳孔を縮瞳させ手術は終了です。
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休養
院内でしばらくお休み頂いた後、問題がなければ帰宅頂けます。
術後は医師の指示に従って点眼薬、内服薬をご利用ください。
ICL、IPCL手術の費用
ICL、IPCL手術は「自由診療」です。厚生労働省に正式に認可された治療法ですが、レーシック等と同様に健康保険は適用されません。
ただし、保険会社による医療保険は適用される場合がありますので、医療保険に加入されている方は保険会社にお問い合わせください。
料金案内(2025年6月改訂)
適応検査料 5,500円(税込み)
初回検査時にお支払いいただきます。
眼内コンタクトレンズ(ICL・IPCL)費用のご案内
単焦点 IPCL
乱視なし
片眼 | 237,000円(税込) |
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両眼 | 474,000円(税込) |
乱視あり
片眼 | 264,500円(税込) |
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両眼 | 529,000円(税込) |
単焦点 ICL
乱視なし
片眼 | 297,000円(税込) |
---|---|
両眼 | 594,000円(税込) |
乱視あり
片眼 | 324,500円(税込) |
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両眼 | 649,000円(税込) |
3焦点老眼用 IPCL
乱視なし
片眼 | 304,500円(税込) |
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両眼 | 609,000円(税込) |
乱視あり
片眼 | 349,500円(税込) |
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両眼 | 699,000円(税込) |
- レンズ度数が日本で認可されている度数範囲外となる場合は個人輸入となるため、片眼あたり100,000円(税抜き)、110,000円(税込み)が追加でかかります。
- 価格は予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。
保証内容
- 保証期間は3年です。既定の時期に診察に来院された方に片目あたり適応になります。
- ICLはレンズ交換が必要な場合の手術費用が無料になります。ICLはレンズ代も含めて半年無料になります。半年以降3年まではレンズ代のみかかります。
- IPCLはレンズ交換が必要な場合の手術費用が無料になりますが、レンズ代のみかかります。
- レンズ抜去を希望される方の手術費用が3年間無料です。
- 手術直後の定期健診代は1年間無料です。
メディカルローンが使用できます
当院ではアプラス社のメディカルローンが使用いただけます。ご希望の方は、受付で、アプラス医療ローンご利用の旨、お伝えください。
ローンの申し込みに必要なもの
- 身分証明書(運転免許証または健康保険証など)
- 郵便局もしくは銀行の認印
- 郵便局もしくは銀行の預金口座
アプラス社のメディカルローンの申し込み条件
- お会計が3,000円以上からローンを組むことが可能となります。
- 金額により、3回~60回までのローンを組むことが可能です。
- 成人で収入のある方が対象となります。
(アプラスの審査により保証人が必要となる場合がございます) - お支払い方法についてご不明な点は、直接お電話でお問い合わせください。
お支払い例(手術費用65万円の場合)
36回払いの場合の例(アプラス社カード申込み優遇金利)
支払金額は利率によって変動します。
回数 | 費用 |
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初回月 | 22,645円 |
2回目以降 | 20,600円 |
分割払い手数料 | 95,645円 |
支払総額 | 743,645円 |
60回払いの場合の例(アプラス社カード申込み優遇金利)
支払金額は利率によって変動します。
回数 | 費用 |
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初回月 | 16,808円 |
2回目以降 | 13,400円 |
分割払い手数料 | 159,408円 |
支払総額 | 807,408円 |
術前検査の流れ
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ICL検査予約
ICLの手術を希望される場合、まず予約の電話(0285-38-7996)をお願いします。
ICL術前検査のできるスタッフが限られるため、完全予約制になります。 -
ICL術前検査①
ハード、ソフトコンタクトレンズを使用している人のみ
一度、コンタクトレンズ装用した状態で検査にお越しください。手術後の見え方の参考に致します。 -
ICL術前検査②
検査結果に影響する可能性があるため、この検査を受けるためには、以下の期間コンタクトレンズを装用しないでください。
- ソフトコンタクトは検査の2日前から
- ハードコンタクトは検査の3週間前から
- オルソケラトロジーは検査の4週間前から
(※上記はICL術前検査③でも同様です)
主に、手術をして問題ない目なのかどうかを確認します。散瞳検査を行いますので、帰りは見えにくくなります。近視がある目は白内障、緑内障、網膜剥離になりやすくなります。このような病気が見つかった場合はICL手術ができない場合があります。
ご希望があれば、あらかじめ手術日を確保することができます。ただし、レンズの納期が遅くなる場合、手術日を変更しなくてはならない可能性があります。 -
ICL術前検査③
いろいろな条件で視力を検査します。そのうえで、最適なレンズを決定します。
必ずしも視力が最高の度数になることが良いわけではありません。疲れやすさ、見やすさを考えて、当院の検査技師と最適な度数を相談してください。
院長より、手術の説明を受けます。この検査後に、手術同意書を提出し、手術費用をお支払いいただきます。
一旦お支払いいただいた手術費用は返金できませんので、しっかりご納得の上申し込んでください。
この時点で決心がつかない場合は申し込まないことも可能です。
全ての検査が終わったら、手術日までの間コンタクトレンズを装用できます。手術日はコンタクトレンズをはずして来院ください。
主な合併症
白内障、レンズサイズ不一致、感染症、度数ずれ、ハロー、グレア