視野検査結果の読み方(初級編)
2012.08.30 緑内障
もりや眼科を開業して2ヶ月が経とうとしています。
本日は時間外の患者さんも来院されて、診察しました。私一人ですのでいつでも診察できるというわけではありませんが、極力対応して地域の方の役に立ちたいと思います。
視野検査結果の読み方(初級編)
視野検査の結果をもらえる眼科は少ないと思います。また、実際にこの紙を貰っても、どういう風に読んで良いか分からないと思います。緑内障の治療を患者さんと一緒に行いたいという思いがあるので、当院では希望の方には視野検査の結果を解説つきでお渡ししております。
視野検査の結果は、このような紙で出てきます。ざっと見ても、情報量が多すぎるし、何を言ってるか分からないと思います。
1 氏名、検査日、左右を確認
結果の左上に氏名、検査日、左右が書いてあります(ここでは氏名は消してあります)左右どちらの目のデータかを確認してください。
視野検査の機種によって様々ですが、カラーもしくはモノクロで網膜の感度が表示されます。
赤矢印の部分は以前お話した「マリオット盲点」という、もともと見えない部分です。
年齢と比較して、よく見えていれば白色、見えなければ黒色になります。この結果の場合、右目で見たときに右下の方がやや見えにくい、ということになります。
緑内障の患者さんを長期間診療していると、「この人が悪くなっているのかどうか」ということを判断しなくてはなりません。その時役に立つのが「MD」という数字です。この数字が増えていれば「緑内障が進行している」、同じくらいであれば「緑内障はあまり進行していない」と言えるかもしれません。
一般的に、緑内障の場合、MD値が6以下で軽度、6-12で中程度、12以上で重度と判断します。
小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科
白内障で視力が落ちるしくみ
2012.08.27 白内障
本当は週に2回更新しているのですが、先週は1回だけになってしまいました。ネタは沢山あるので、2回のペースを維持したいと思います。
毎週スタッフの勉強会をしているのですが、今週は点眼の名前を覚えてもらっています。
初診の患者さんで前医の点眼を聞くと、点眼の製品名ではなくて、「疲れ目に効く赤い目薬をつけてます」という事がよくあります。そんな時、うちのスタッフであれば、「それはサンコバですね!!」とビシッと指摘してくれると思います。私と、スタッフとがともに患者さんと向き合える眼科にしたいと思います。
さて、今週は白内障の手術を5件行いました。それぞれ無事に手術を終えました。
今回は白内障についてです。まだまだ簡単な内容ですが、そのうち詳しいことも書いていきます。
白内障で視力が落ちるしくみ
今回は、「白内障でなぜ見えなくなるのか」について、ごく簡単な説明をしたいと思います。
目の中には水晶体というレンズが入っています。カメラのレンズと同じ作用で、目のなかに光を導くという役割があります。
水晶体は年齢とともに、必ず濁ってきます。水晶体が濁ったものを白内障といいます。
白内障になると、水晶体が濁って光を通しにくくなるので、視力が低下します。
水晶体は、実は生きている細胞からできているため、年齢による影響を受けてしまいます。水晶体のにごり方はいろいろです。
これは皮質白内障と言って、水晶体の周辺からにごります。
これは後嚢下白内障と言って、水晶体の奥側がにごります。
これらのように、水晶体の一部だけ濁る白内障もあれば、
このように、水晶体全体が濁る白内障もあります。
にごりによって、目のなかにうまく光が入らなくなると視力低下をします。いろいろな種類の白内障について、今後説明していきたいと思います。
小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科
視野検査について(視野検査の受け方、固視点)
2012.08.20 緑内障
視野検査について(視野検査の受け方、固視点)
白内障手術 3件
無事に手術を終えました。
さて、また今回は緑内障の話です
緑内障など、視野に異常のある疾患が疑われると「視野検査をしましょう」と言われますが、視野検査とはどのような検査なのでしょうか
視野計には幾つか種類があるのですが、当院採用している視野計で説明いします。
視野計の中はドーム状になっています。この中で真ん中に光っているところがあります。これを「固視灯」といって「ここを見続けてください」というところです(下の写真の赤矢印)。視野検査は目を動かしてしまうとうまく計測することができなくなってしまいます。ですから、目が正面に向くよう、固視灯がついています。
検査が始まると、「ピッ」という音とともに、ドーム内の色々なところが光ります(上の写真の緑矢印)。これによって、網膜の色々な部分が刺激されることになります。明るい光から暗い光までさまざまな光がでます。これによって、網膜の色々な部分の感度がわかるわけです。それぞれの網膜の感度を集計すると、「この人はどのくらいの広さが見えるのか」(=視野)が分かります。
たまに「ピッ」と鳴っても光らないことがあります。これはいわゆる「引っ掛け」です。この検査を良く理解してない人は、時々音に反応してボタンを押すことがあります。そうすると、きちんとした結果が出ないことになります。検査の結果には引っ掛けにいくつ引っかかったか記載されますので、それを見ると「しっかり検査ができたか」というのがわかります。
小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科
視力が下がったから白内障?(矯正視力と裸眼視力)
2012.08.17 白内障
今日はとても暑かったですね。小山市では午後にゲリラ豪雨があり、雷もとてもすごかったです。
お盆はゆっくり休ませていただきました。
さて、今日は白内障についての話題にしたいと思います(といっても、視力の話からですが)
今度当院では乱視を減らす眼内レンズを用います。これは乱視のある患者さんにはとても良いレンズで、メガネなしでの視力を最大限出すことができます。
このような高機能レンズは、適応となる患者さんには大変メリットがあります。また、レンズ代は手術代に含まれるため、患者さんの出費も増えません。
乱視用レンズの話はまた後日行いたいと思います。
視力が下がったから白内障?(矯正視力と裸眼視力)
当院は眼科ですから、「見えなくなった」という人があつまります。そこで、視力低下で来院した患者さんには視力検査をしてもらいます。
視力検査では「ランドルト環」を用います。名前は知らなくても、これは見たことがあると思います。
視力表がこんな風に見えなくなれば視力低下ですが、その場合、目の前にレンズを置いて視力計測を続けます。もしレンズを置いて下のようにはっきり見えるようになれば、眼科としては良い目(視力の出る目)とされます。
目の中にはレンズが入っているのですが、レンズには決まった焦点があります。
赤い矢印が焦点です。外から入った光がうまく網膜にピントが合えばよいのですが、ピントが合わないと当然ぼやけて見えます。しかし、ピントがうまく合っていない状態というのは、目の病気の度合いを示しているわけではないので、眼科診療にはあまり役に立ちません。一般的にはピントが合っている状態の見え方(矯正視力)で評価します。
もし、白内障であれば、上の図でレンズが濁っているのですから、いくらピントを合わせても見えません。
逆に、白内障(その他の目の病気)でなければ、ピントを合わせればよく見えるようになります。特に、40歳を過ぎるとピントを合わせる能力が急に減少するので、その分メガネをよく合わせる必要があります。当院ではメガネ専門の技師や視能訓練士がいるので、患者さんの要望に合わせて適切なメガネを作ることができます。
小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科
視野について
2012.08.10 緑内障
いよいよお盆のじきですね。当院も来週月から水曜日(8月13-15)までお盆休みをいただきます。
視野について
今日は視野について説明したいと思います。
時々サッカーの試合を見ていて思うのですが、プロのサッカー選手はとても広い範囲が見えています。本人の顔の向きと違う方向に的確にパスをしたり、後ろから来た敵をかわしたりします。
ただし、人間の見えている範囲(視野)は左右で180度程度と決まっています。プロのサッカー選手も視野の広さは同じです。人間は両目とも正面についているので、構造上これ以上はあまり大きくなり得ないようです。それに対して、羊の視野はとても大きく、300度以上に及ぶこともあります。これは、羊の目が横向きについているためです。
人間は視野が狭いぶん、両目で見える範囲が広いです。両目でモノを見ると、立体的に見ることができるというメリットがあります。それに対して羊は広い範囲見えますが、立体的に見える範囲はとても少ないのです。
緑内障という病気は、視野が狭くなる病気です。