末期緑内障患者の抱える不安
2015.10.26 緑内障
本日は白内障手術13件行いました。皆さん無事に終わりました。
先週から何故か首が痛くなってしまって、本日手術が終わった後に整形外科に行ってきました。
どうやら首ではなくて肩の筋肉が凝り固まっている、フローズンショルダーという状態だそうです。早く良くなると良いのですが・・・
末期緑内障患者の抱える不安
緑内障はとても怖い病気だと世間では認知されています。もちろん、失明の割合で2位となっている病気です。ただ、これも程度の問題で、ごく軽症の場合もあれば、重症で視野がとても狭くなって不自由をしている方もいらっしゃいます。
重症の方の中には、眼圧が良好で視野検査でも(視野が少ないながらも)維持している場合でも、は毎回問診で「前回よりも悪くなった」という方もいらっしゃいます。恐らく、視野が狭くて日常生活にとても困っているし、将来失明したらどうしようという不安からの発言だと思っています。
そのため、末期緑内障で治療がうまくいっている人には、「順調ですよ!」ということを繰り返し強調して説明しています。少しでも不安が解消されれば・・と思っているのです。しかし、それも患者さんの性格によっていろいろな受け取り方をされてしまいます。
下の写真は視野検査の結果です。白っぽいところがまだ見えているところ、黒っぽいところは視野が無くなってしまったところです。中心に白いところがまだ残っているので視力は出ますが、視野が狭いことは実感していると思います。
この方にも「順調ですよ」と説明したところ、機嫌を悪くされてしまいました。専門的に言うとこれ以上点眼の種類を増やすこともできないし、眼圧も毎回10台前半とても良好で、緑内障の悪化を示すMDスロープにも問題ないため、治療の方針はこのままでいいのは間違いないのですが。
しっかり説明したところ分かっていただけたようですが、末期緑内障患者の抱える不安は大きいと改めて実感しました。
近視を治す手術(有水晶体眼内レンズ:ICL)当院での治療経過
2015.10.20 近視治療
本日は白内障手術11件行いました。(乱視用レンズ2件)
無事に手術が終わりました。
近視を治す手術(有水晶体眼内レンズ:ICL)当院での治療経過
近視を治す手術というとレーシックが一般的です。レーシックは矯正の精度がとても良いことが素晴らしいのですが、一方で近視が強すぎる人にはあまり向いていません。角膜を多く削ることになるため、近視を矯正できる量に限界があります。そういう方に向いているのが「有水晶体眼内レンズ手術」です。
眼内コンタクトという言い方をする人もいるのですが、コンタクトレンズと同じような度数のレンズを目の中に入れてしまおうというものです。実際に使用するレンズはこんな形をしています。
レンズの中心に穴があいています。この穴は視力に影響が無いように工夫された大きさなんだそうです。また、この穴のお蔭で目の中の水の流れをせき止めることが無くなります。
手術の方法は下の図のとおりです。レンズはペラペラなので、3ミリという小さな傷で手術ができます。
この手術を行うには認定を受ける必要があって、今回当院ではその認定を取得しました(栃木県では初めてだそうです)
当院で手術を行った方の経過です。
30代女性の方です。手術前は-6Dというとても強い近視でした。近視が強いので、メガネがないと本もよく読めませんでした。
今回手術後1週検査に来院されました。その時の視力なのですが、
RV = 1.5(2.0×C-0.50D Ax 25)
LV = 1.2(1.5×S-0.25D)
分かりやすく言うと、右目はメガネなしで1.5 メガネを付けると2.0.左眼はメガネなしで1.2、メガネを付けると1.5の視力がでました、という事です。ご本人はメガネのない生活ができてとても喜んでいました。
もりや眼科 平成27年9月の手術実績
2015.10.05 手術実績
もりや眼科 平成27年9月の手術実績
白内障手術 26件
霰粒腫摘出術 4件
後発白内障に対するレーザー治療 7件
閉塞隅角緑内障に対するレーザー治療 4件
網膜レーザー光凝固術 5件
涙点プラグ挿入術 4件
9月は手術日が少なかった関係で、手術件数も少なくなりました。
なるべく手術待ちを長くしないようにしたいと思います。
霰粒腫は処置後治るまでに時間がかかることがある
2015.10.01 網膜
9月28日ですが、
白内障手術12件(うち入院2件)
無事に手術が終わりました。
本日、当院で白内障手術した方で、「私は乱視がありますか?」と尋ねた方がいらっしゃいました。
もちろん、乱視が0の人は存在しませんが、当院では乱視を減らすレンズを使用しているので、大抵の方は乱視がとても少ない状態になっていますので安心してください。
霰粒腫は処置後治るまでに時間がかかることがある
霰粒腫は眼科の中では比較的よくある病気の一つです。まぶたの中にあるマイボーム腺が詰まることで発症します。マイボーム腺は目が乾かないように油を作る役割があるため、その出口が塞がってしまうと瞼が膨らんでしまいます。
この方は7日前から瞼が腫れていたそうです。結構大きくなってしまったこともあり、切開をすることにしました。
この方は霰粒腫が皮膚側に大きく突出していたので、皮膚を少し切開して霰粒腫の中身を取り出しました。
処置で霰粒腫の中身はしっかりと綺麗にしたのですが、眼瞼の炎症は時間をかけて治るため、処置後すぐにスッキリするわけではありません。炎症を抑える軟膏を付けながら様子を診ることになります。そのため、処置前に「処置した後ですぐにすっきりするわけではなくて、時間をかけて少しずつ良くなりますよ」と説明しています。
下の写真は処置後14日目の写真です。大分小さくなっていますがまだ少しぽっこりが残っています。本人は「大きさが処置前と変わりない」と言っていたのですが、写真を撮ると大分小さくなっているのが一目瞭然です。軟膏を付けてもう少し様子をみてもらったところ、徐々に目立たなくなりました。
実際には切開後もっと早くすっきりする症例もありますが、このように時間をかけて良くなる症例もあります。