もりや眼科ブログ

森谷充雄の眼科ブログ

糖尿病網膜症の健診は大事

2018.10.22

本日は白内障手術12件と

ICL手術(近視矯正手術)2名4眼を行いました。みなさん無事に手術を終えました。明日の視力検査が楽しみです。

昨日は新小山市民病院で白内障の講演会を行いました。単調になりやすい話をいかにして楽しく効いてもらうか、色々工夫をしました。50人くらい集まって思ったよりも盛況でしたが、恐らく来場者は楽しんでもらえたかなと思います。手術費用の話しはなかなか聞くことが無いと思うのですが、折角手術を受けるならお得に受けてほしいと思います。当院はあまり広くないのでこういった講演会をするスペースが小さいのですが、今後は定期的に行いたいと考えています。

糖尿病網膜症の健診は大事

先月、当院で「見えにくくなった」と言って50代の方が来院されました。1か月前に健診で引っかかって「眼科に行くように」と言われて、それでもすぐには眼科を受診しなかったようです。

実はこの方は6年前に当院を受診していて、その時は眼底はきれいでした。それなのに、今回は下の写真のように・・・

網膜症がかなり活発になっていました。特に、黄斑という大事な部分が傷んでしまっていて、矯正視力(眼鏡をかけた視力)が0.3しか出ていませんでした。

OCTで黄斑の断面図を見ると、むくみが生じていました。

今月硝子体手術を行って、浮腫はやや改善しています。何とか失明を食い止められたら良いのですが。

内科のチェックや、眼科のチェックが2012年から今までの間のどこかで出来ていればこんなことにはならなかったと思うのですが、、もったいないです。1か月前の健康診断で指摘されてからすぐに当院に来ていたら、もう少し視力が温存出来ていたかもしれません。

 

 

 


病的近視による脈絡膜血管新生

2018.03.05

本日は白内障手術を13件

翼状片手術を1件行いました。皆様無事に手術を終えました。

病的近視による脈絡膜血管新生

多分専門外の方はあまり聞いたことの無い病気なのではないでしょうか?でも、結構失明率の高いやっかいな病気なのです。

普通、近視が強いといっても、-6D程度のものだったりします。病的近視は-10D程度の高度な近視で、その場合、眼軸長(目の奥行)が長くなっていて、網膜(カメラでいうフィルム)、脈絡膜(網膜に栄養を与える血管が豊富にある膜)、強膜ともに薄く引き伸ばされています。

その場合、網膜萎縮(網膜がだめになってしまう事)が起きることもありますが、脈絡膜の血管が破裂して、網膜と脈絡膜の間に出血してしまう事があります。これのせいで、昨日まで良く見えていた人が一瞬で視力が0.1以下くらいに下がってしまう事があるのです。病的近視は失明の原因の4番目で、失明原因の6.5%を占めているというものです。病的近視の方が多くない割に、失明する人が多いと言う事になります。

上の写真がこの病気の人の眼底写真です。黄斑に出血があります。出血の範囲はとても狭いですが、これだけで視力がガクッと下がってしまいます。

OCTで黄斑を観察すると、網膜の奥に出血がありました。この方は視力は0.03でした。

抗VEGF薬で治療を行うのですが、なかなか視力が上がりにくかったり、病気を食い止めるのも難しいことがあります。ただ、この方は治療に良く反応しました。

注射の治療を行ってから1週間で矯正視力(眼鏡をかけた視力)が0.4まで上がっていました。今後も様子を見ながら治療を行っていく予定です。

 


糖尿病網膜症の患者をいかに治療するか

2018.01.15

本日は白内障手術16件(うち多焦点眼内レンズ1件)

翼状片手術1件

無事に手術を終えました。今日多焦点を行った方は、片眼既に多焦点が入っていて、とても喜んでいらっしゃいました。やはり新しい多焦点眼内レンズは見え方が良さそうです。

糖尿病網膜症の患者をいかに治療するか

医師の間で「糖尿病的性格」という言葉を使う事があります。別の言い方をすると、医師の言う事を理解してくれなかったり、言う事を守ってくれない患者さんの事を言います。糖尿病の方が全員このような性格、と言うわけではありませんが、医師の言う事を守ってくれない患者で重症の糖尿病網膜症になりやすいことは間違いありません。

先週来院した40代の方ですが、内科から紹介されて当院に受診しました。HbA1cは10台、視力は両目とも1.2ですが、眼底は下の写真のように軟性白斑が生じていて前増殖糖尿病網膜症です。これは網膜症の活動性が高い為、レーザー治療の適応になります。

治療しないと視力が下がる事、視力が一旦下がったらなかなか戻らない事、失明しやすい病気であることを説明しましたが、なかなか理解してくれません。結構熱心に説明したつもりでしたが、治療自己中断しそうだと感じたので、お手紙を書きました。お手紙は面倒ですが、結構役に立ちます。後々で「医師から説明を受けていなかった」と言われることも防止できますし、家族がお手紙を読んでくれて診療自己中断を回避できたこともあります。

お手紙3ページ・・・結構力作です。外国の方だったので英語でも書きました。もう少し悪化したら手術が必要になってより医療費がかかってしまいますが、当院としてはそれは望んでいません。できれば視力の良いうちに直したほうが私もストレスが無くて良いです。次回来てくれると良いのですが。視力が良いうちはなかなか本気になって治療してくれないのが悩みです。


網膜静脈分岐閉塞症に対する硝子体手術

2017.11.24

今週は白内障手術を16件行いました。

白内障が硬くなっている症例もいましたが、無事に手術を終えました。

網膜静脈分岐閉塞症に対する硝子体手術

網膜静脈分岐閉塞症は、網膜(カメラで言うフィルム)の血管が一部詰まる病気です。詰まった部分は栄養不足の状態になるのですが、「もっと血管を作って」というシグナルをもつ化学物質、VEGFを放出します。ただ、VEGFは目の中では悪い作用があり、網膜に浮腫(むくみ)を生じてしまいます。浮腫が起こった部分の網膜はダメになってしまいます。

赤丸の部分が浮腫を起こした網膜です。この状態が続くと視力が下がってしまうので、抗VEGF薬を注射します。

ちなみに、この人は2014年3月に来院して、矯正視力(眼鏡をかけた視力)が0.2でした。

2014年4月(抗VEGF薬を注射して1ヵ月後)の写真です。注射が効いて、上の写真のように浮腫が殆ど無くなってしまいました。ただ、この薬は病気の原因を治す薬ではなくて、浮腫を数ヶ月(通常2-3ヶ月)抑えるにすぎません。そのため、再発をしやすいのです。

5月には下の写真のように浮腫が生じていました。結局3回注射の治療を行ったものの、再発しやすい状態でした。そういう場合は、硝子体手術が有効です。

硝子体手術を行うと、一部の症例では、手術後に抗VEGF薬が必要なくなります。全部の症例ではなくて、大体8割くらいでしょうか。この症例は2014年10月に硝子体手術を行って、先日診察を行うまでに一度も抗VEGF薬を必要としませんでした。

本日診察時のOCTです。浮腫が全くなくてとても綺麗でした。矯正視力(眼鏡をかけた視力)も1.2でした。視力がうまく保ててとても素晴らしいです。


夜盲の方に便利な眼鏡

2017.11.07

昨日は白内障手術15件

無事に終わりました。

夜盲の方に便利な眼鏡

網膜色素変性症などで網膜(カメラでいうフィルム)が傷んでいる人は、フィルムの感度が減る=光を感じにくくなります。そのため、全体的に暗く見えることになります。日中はそれでも問題ないのですが、夕暮れになるとかなり見えづらくなります。

そういった人の為に、新しい機械ができました。暗所支援機器と言う機械です。

ドラゴンボールのスカウターのようにシースルー構造になっていて、中央部のみ明るくなった画面が表示されるようです。実際に試した人の声を聞くと、とても良く出来ている様でした。たまたま今日網膜色素変性症の患者さんが来て、興味を示していたので一度試してみようかと思います。また実際に使用してから、使用感を報告したいなと思います。

 


持続的血糖測定装置 Freestyle Libre Pro

2017.05.18

今回は白内障手術 14件

翼状片手術1件行いました。

今日は大学受験生が見学にきてくれました。

外来を一通り、検査、手術も見学しました。実際に若い人は医療現場に触れる機会がないとおもうので、いいきっかけになればと思います。

持続的血糖測定装置 Freestyle Libre Pro

眼科は糖尿病と深い関係があります。糖尿病の3大合併症の一つである糖尿病網膜症はとても失明しやすい病気です。そのため、患者さんの血糖コントロールがうまくいっているかどうか、いつも気になるところです。

通常糖尿病の評価は血糖値を用いますが、その時点での値を調べているにすぎないので、1日のうちで血糖がどのように推移しているのかを調べることが困難でした。

実際に10回検査しようと思うと、10回指先に傷ができていました。今回は特殊な装置を上腕につけているだけで、15分ごとに血糖を図ってくれる装置です。

上の写真のように、専用の機械を肩に取り付けます。実際にこの機械を付けながら水泳もできますし、お風呂にはいることもできます。

私もこの機械を付けてみました。5月16日、お昼にうどんをたべました。ここで血糖値がぐっと上がっています。血糖値がさがったのは16時くらいでしょうか。消化されるまでに4時間程度かかっているのが分かります。(時間軸の1目盛り2時間です)

夕食ではあまり血糖は上がっていません。また、5月17日は中華を食べたのですが、炭水化物の割合が少な目だったせいか血糖値の急上昇は認めていません。

あと、毎日ですが睡眠中の決闘はずいぶん低めになっています。おなかが減っておきるわけではないのですが。最近早朝に足がつるのですが、低血糖も引き金になっているのかもしれません。

血糖値の上昇具合で食事内容を考察できる、というのもとても良いことだと思います。この機会が普及すると良いですね。

 


視力が急激に下がる、糖尿病黄斑浮腫

2016.10.18

本日は白内障手術16件

無事に終わりました。

外来が終っても、患者さんへの手紙を書いたり、診察の準備などでなかなか忙しいです。

視力が急激に下がる、糖尿病黄斑浮腫

糖尿病は、自覚症状がなかなか出ないので治療をしっかり行わせるのが難しい事がしばしばあります。

そのため、眼科受診した時には病気が結構進んでいて治療が難しい、ということも良く経験します。

最近来院された方ですが、HbA1cが11と結構重症な糖尿病です。

無題

ぱっと見たところ、網膜出血が少ないので重症な感じが少ないです。もしかすると、内科で眼底写真でチェックされているだけでは、重症だと思わないかもしれません。もちろん眼科医が見たら「これはすぐ治療をしないと・・」となります。

視力に大事な黄斑の断層撮影をすると、このようになります。

無題

黄斑は通常少しへこんでいるのですが、浮腫のせいでむしろ厚くなっています。

このせいで、両目とも矯正視力(眼鏡をかけた視力)が0.2程度になっています。これで最近まで運転していたようです。危ないですね・・

抗VEGF薬注射で早急に浮腫を改善させることになります。なんとか生活ができる視力を維持できればよいですね。全力で治療に取り組みたいと思います。


黄斑前膜の治療で飛蚊症も治ります

2016.09.05

 本日は白内障手術を13件、結膜弛緩症手術を2件行いました。

最後の方の白内障は結構硬かったですが、しっかりきれいになりました。

 

黄斑前膜の治療で飛蚊症も治ります

飛蚊症で来院される方、結構多いです。一日平均で2-3人いると思います。

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飛蚊症は一旦生じてしまうと基本的には治りません。目の中に小さなチリのような混濁が生じる物ですが、このチリも含めて自分の体の一部なのです。体の一部が勝手に消える、なんていうことはないのです。

そのため「うっとおしいとは思いますが、飛蚊症とうまく付き合ってくださいね」と説明しています。個人的には手術する程のものではないと思うのですが、それでもかなりうっとおしくて困る、という方も時々見かけます。

先日当院で手術を行った、BRVOという網膜の血管が詰まる病気をきっかけにして飛蚊症が生じたかたが要るのですが、この方も飛蚊症で悩んでいるようでした。

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このように黄斑前膜も生じていて、変視症(歪んで見える)も出てきたので手術する頃だと思います。本人としては、飛蚊症がとてもうっとおしくて、それが手術で治るのであればとても嬉しいと言っていました。

先日手術を行い、無事に終わりました。飛蚊症の原因となるチリもきっちり取り除きました。まだ手術直後なのですが、飛蚊症が無くなって嬉しいようでした。

実際に飛蚊症のみで困っている場合、保険の仕組みの関係で治療できない眼科は多いと思います(自費診療での手術を扱っていないところが殆どのようです)。現在の見解では、飛蚊症は保険適応の病気ではないとされているようです。そのため、当院で治療を行う場合、飛蚊症の治療では10割負担(自費診療)となってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


網膜電位計 RETeval レチバルを導入しました

2016.05.24

本日は白内障手術15件

無事に終わりました。

 

網膜電位計 RETeval レチバルを導入しました

眼科は他の科と比べて、器械を沢山しようします。当然どんどん新しいものが出てきます。

最近当院で導入した器械を紹介します。

無題

このような小型の機械です。目に光を当てると、カメラでいう網膜が電気信号を発信します。この電気が脳に届いて「見える」と感じるわけです。その電気を計測するのがこの機械です。

従来、この種の検査はとても大変でした。下の写真のように目に部品を装着して検査しなくてはなりません。

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今回の機械では、下の写真のように目に当てるだけで、短時間(30秒くらい)で測定出来てしまいます。

患者さんも、検査員もとても楽になりました。

無題2

網膜の病気を調べるために使用をしたり、白内障手術前に検査をすることで術後の視力を予測したりするために使用をします。下の写真は網膜の難病である網膜色素変性症の方の結果です。

難しいことを省略して説明すると、波形の高さがとても小さくなっています。網膜が傷んでしまって電気信号を出さなくなっているのです。網膜色素変性症の方が難病申請するためには必要な検査となっています。

 

 

2015年11月27日11時44分38秒

 

 


網膜色素変性症と拡大読書器

2016.04.18

今回は白内障手術を14件行いました(うち入院2件、乱視用レンズ2件)

無事に手術を終えました。

網膜色素変性症と拡大読書器

網膜色素変性症は難病指定されている病気なのですが、現在特に有効な治療がありません。

人によってはかなり見えにくくなります。視野が狭くなったり、暗いところでは殆どみえなかったりします。

無題

網膜色素変性症の方の眼底写真ですが、周辺部で網膜の色が灰色になってきています。無題

上の写真は健康な人の眼底写真ですが、比較すると色調の違いが分かりやすいと思います。

当院で診ている人の中で、網膜色素変性症の方が「見づらくて文字が書けなくなった」と言いました。そのため、拡大読書器を試してみることにしました。

拡大読書器はいくつか種類があります。大まかにはハンディタイプと据え置き型があります。

ダウンロード (1)ダウンロード

文字を読むのにはどちらも良いと思うのですが、書くとなるとハンディタイプはうまくいかないようです。

片手で拡大読書器を持ちながら、もう片手で物を書くことは難しいということでした。据え置き型なら両手が自由になるのですが、一方で画面を見ながら物を書くのは少し慣れが要るようです。

うまく慣れて生活の質が保てればと思います。