もりや眼科ブログ

森谷充雄の眼科ブログ

サイクロG6(CYCLO G6) 緑内障の新しい手術

2018.12.13

この一週間は12月8日(土)、12月10日(月)、12月13日(木)が手術日でした。

合計で硝子体手術12件、白内障手術51件(乱視用レンズ15件、多焦点レンズ3件)、翼状片1件、結膜腫瘍1件、緑内障手術(サイクロG6)1件、眼瞼内反症1件でした。

サイクロG6(CYCLO G6) 緑内障の新しい手術

これは、経結膜毛様体凝固術というものです。毛様体というのは、眼球内部でお水を作っているところです。ここをやっつけてお水を作らなくして眼圧を下げよう、というものです。従来は炭酸ガスを用いて、眼球外部から毛様体を凍らせていました。

合併症が多い事と、術後の炎症がかなり強く出ること、術後の眼圧が一定しなくて眼球癆(眼圧が低すぎて目がベコベコになること)になる事もあるため、他の手術を行ってもどうにも眼圧が下がらない人に対して行っていました。大学病院に勤務していた眼科医であれば、おそらくはこれを使用した経験があって、合併症に苦しんでいたのではないでしょうか。

これがサイクロG6の器械です。黄色いファイバーの先についている

紫のプローブの先端からレーザーが出ます。このレーザーで毛様体をやっつけて眼圧を下げようと言う手術です。

黄色いファイバーの先を、白目の上半分に40秒、下半分に40秒程度当てるだけです。テノン嚢麻酔をしっかり効かせれば全く痛くありません。

治療の成績がとても良いらしいです。シンガポールの研究では、手術後18か月の時点で術前と比較して眼圧が33%落ちたとの事。他の多施設研究でも有効性が示されています。当院で行った症例も眼圧が下がっていて、今後の眼圧の経過をチェックするのが楽しみです。

 

 

 

 


緑内障手術器具(カフーク:Kahook dual blade)術後の様子

2018.05.22

今回は白内障手術を13件行いました。

(うち、多焦点1例、乱視用レンズ2例)

みなさん無事に手術を終えました。

緑内障手術器具(カフーク:Kahook dual blade)術後の様子

前回のブログでカフークについて紹介をしました。

https:/moriyaganka.com/blog/2018/05/

先週この手術を行い、術後とっても眼圧が下がったので、紹介をしたいと思います。

① 術前眼圧37→術後眼圧13

② 術前眼圧24⇒術後眼圧9

③ 術前眼圧15→術後眼圧8

眼圧の下がり具合がビックリです。レクトミーとは違って、術後の処置も殆ど必要ないのも良いですね。

 

 

 

 


緑内障手術器具(カフーク:Kahook dual blade)

2018.05.14

本日はICL手術1名(2眼)、白内障手術を13眼実施しました。

皆さん無事に終わりました。

緑内障手術器具(カフーク:Kahook dual blade)

先週土曜日は新しい緑内障手術を行いました。カフークという器具を用いた緑内障手術です。カフックと呼びたくなりますが、カフークだそうです。

上の写真を見てください。③のところにナイフが2つついています。これを用いて、目の中の水の出口(繊維柱体)を切り取って、目の中の水の排水を良くしよう、と言うものです。

上の写真の赤矢印が繊維柱体です。ここを切開します。

 このナイフを使用すると、繊維柱体を一定の幅で取り除くことができます。これによって、目の中の水が排水されやすくなるようです。

もともとあった緑内障手術(繊維柱体切除術)と比較して、手術時間がとても短くて手術後の管理がとても楽だというメリットがあります。また、手術が目にあまり負担にならないので、術後視力が下がりにくいという利点もあります。それなのに、結構眼圧がさがります。

合併症としては、目の中で出血することがあります。数日で出血はなくなるのですが、手術翌日に出血で見づらいことがあります。

一昨日実施した4名の様子をみると、出血は殆どなくて、全員眼圧が結構下がっていました。今後使用頻度が増えそうな器具ですね。

 

 

 


閉塞隅角緑内障

2018.03.27

本日は白内障手術11件、

ICL手術1名2眼の手術を行いました。皆さん無事に手術を終えました。

閉塞隅角緑内障

目の中には前房・後房と呼ばれる空間があります。ここには「房水」と呼ばれる水が溜まっています。この水は、後房から瞳孔を通って前房に出ます。

今回、その部分の様子を当院で最近採用した前眼部OCTという機械で撮影しました。

これは、とある急性閉塞隅角緑内障の方の、白内障手術後の画像です。手術後なので、前房がとても広いのです。この方の反対の目はどうなっているかと言うと・・・

前房殆どありません。反対目はこんな狭いスペースの中白内障手術をしたのです。目のなかで水晶体がいかに大きいものであるかがわかります。また、年齢とともに白内障が大きくなっていくので、徐々に緑内障発作になりやすくなります。


緑内障手術後の眼圧管理

2018.02.23

今週は白内障手術を16件行いました。

皆さん無事に手術を終えました。

保険審査の方からの指導により、栃木県内で両眼同日白内障手術が出来なくなりました。大変申し訳ございませんが、2月15日以降で手術を予定していた方には、片目ずつ別々の日に手術を行わせていただくことにしました。既に手術を申し込んでいた方には大変申し訳ありません。ご理解・ご協力の程宜しくお願い致します。

緑内障手術後の眼圧管理

緑内障の手術、当院では主にエクスプレスシャントを用いた手術を行っております。これは、手術をしたら終わり、と言うものでは無くて、手術をしてから後の管理が重要になります。緑内障の手術は簡単に言うと目の中の水を外に逃がす手術です。水の通り道は目にとっては傷なので、治ろうとしてしまいます。傷が治ってしまうと手術の効果が無くなって、眼圧が上がってしまいます。一方で、傷が大きすぎると眼圧が無くなってしまい、それも目にとっては悪影響となってしまいます。つまり、傷が治ろうとするのをなんとか食い止める必要があるのです。

当院に昨年導入された、CASIAを用いると手術後の様子がよくわかります。上の写真で黒いスペースが水です。つまり、黒い部分が大きいほど眼圧を下げる効果が高い、と言う事になります。この方は眼圧がやや高い状態だったので、眼球マッサージを行いました。眼球を指圧することで目の中の水を外に逃がす処置です。

処置後、眼圧が下がっていて、再度検査をすると水たまりが増えていました。今後この患者さんは毎日マッサージを頑張ってもらう事になります。

 

 


CASIA2が当院に導入されました

2017.12.19

今週は白内障手術17件、翼状片1件を行いました。

皆さん無事に手術を終えました。レーシック後の人もいたのですが、眼内レンズの度数もほぼ計算通りあいました。

CASIA2が当院に導入されました

前眼部OCTと言う機械です。角膜、水晶体、結膜など目の表面に近い所を観察することができます。人体で撮影するOCTの様に、目を輪切りにして観察することができます。

下の写真は緑内障手術後の写真です。専門的な話ですが、ブレブを観察することができます。緑内障の手術がうまく機能しているのかが良く分かります。通常の診察ではこのような角度で診察することはできないので、重宝します。

他にも、白内障手術の術前評価にも有用です。厚生省が定める先進医療に認定されている機械です。日常の診療に役立てていきたいと思います。

 


緑内障の新しい治療 istent(アイステント)

2017.04.11

本日は白内障手術を13件行いました。

皆さん無事に手術を終えました。

緑内障の新しい治療 istent (アイステント)

緑内障の手術治療は非常に多くの選択肢があります。最も眼圧が下がる効果が高いのは繊維柱体切除術(トラベクレクトミー)と呼ばれているものです。現在その手術の為に「エクスプレス」という器具を使用すると手術後成績が良くなることが分かっています。当院で行っている緑内障手術のほとんどはこの手術になります。

この手術をするほどでもないけど、眼圧を少しでも下げたい・・と言うときにSLTというレーザー治療を行う事もあります。今回は白内障手術と同時に行う事で眼圧を下げるistent(アイステント)という器具を紹介します。

無題

上の写真はアイステントです。90度折れ曲がった筒になっています。折れ返しのついている部分は埋め込まれる部分になります。一番長い所で1ミリというとても小さなものです。

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指の上に乗せてみると、本当に小さい!クシャミしたらすぐに無くしそうです。

無題3

線維柱帯という場所に埋め込むと、房水(目の中の水)の排出を良くするようです。効果は点眼1本分程度だそうです。全く点眼が要らなくなるほど効果があるわけではありません。

保険上、白内障手術と同時でないとできない手術になります。そのため、既に白内障手術を受けたい方は希望していてもできない事になります。

先日の日本眼科学会で初めての講習が開かれました。これを受講しないと使用できない事になっています。今回私はこの講習を受講したので、今後この治療が必要な患者さんに使用していきたいと思います。

 

 


気が付かないうちに進行している緑内障

2017.04.05

今回は白内障手術10件

無事に手術を終えました

気が付かないうちに進行している緑内障

緑内障というのは、現在失明の原因ナンバー1になる病気です。

ただ、それでも失明に至る人は少なくて、多くの人は点眼治療でコントロールすることが可能です。また、点眼治療でもうまく眼圧が下がらなくても今は手術治療が進歩していて、それで眼圧を下げることができます。

一方で、初診時にすでに緑内障末期になっていると厄介です。ほぼ失明状態になってから来院した場合にはうまく治療できないことがあります。

最近、「見えづらくなった」と言って来院された80歳台の方なのですが、矯正視力は両眼ともに1.2でしたが、下のような視野でした。左目の視野(左の写真)が真っ黒になっていて、中心部分でようやく見えているだけです。視野がかなり狭くなっています。逆に、右目は視野(右の写真)がとても広いのでほとんど白色になっています。

無題無題2

眼圧を計測しましたが、右は15mmHgくらいなのに、左は30mmHg近くありました。そのため、このままではいつ失明してもおかしくありません。点眼治療をしても十分に眼圧が下がらなければ手術の治療が必要になりますが、手術をしても見えづらさが元に戻るわけではありません。できるだけ視野が多く残っている状態で治療を開始したいです。

 


早めの緑内障治療が重要です

2017.02.06

今回は白内障手術を9件、

眼瞼腫瘍切除術を1件行いました。

みなさん無事に手術を終えました。

早めの緑内障治療が重要です

当院では緑内障手術も行っているので、手術希望ということで来院される方もいらっしゃいます。

1月では2名、大変重症な緑内障の方が来院されました。

狭い視野

そのうちの1人を紹介します。視力は1.0あるのですが、視野は上の通り、ほぼ真っ黒(黒い所は視野が欠けている所です)。中心付近で少し白い所(見えている所)が残っているのですが、ここで物を見ているのです。ラップの芯をさらに細くしたようなもので外を見ている感じです。

こんなに悪くなるまで、点眼で頑張っていたようです。本来これくらい緑内障が進行している人は眼圧を10台前半くらいで押さえたい所ですが、この方は20mmHgありました。点眼では限界が見えた時(点眼のみで視野欠損がどんどん進行するとき)は、早めに手術治療を行った方が良い場合があります。(正確な判断は診察が必要なので、心配な方は受診してください。)

 

 


目の病気は白内障だけじゃありません

2016.12.14

先週は白内障手術13件行いました

今週は白内障手術10件、結膜弛緩症1件、翼状片1件、眼瞼腫瘍切除術1件行いました。

皆さん無事に終わりました。

ホームページの更新が遅れて恐縮です。現在事務の求人を行っているのですが、100件を超えそうなくらいの申し込みがありました。現在履歴書と格闘しています。1人1人の履歴書をしっかり読んで選考しています。一緒に働く仲間が増えるのがとても楽しみです。

明日からは東京の井上眼科の先生が毎週2診を担当してくれます。当院のアクティビティーがさらに増えます!

目の病気は白内障だけじゃありません

当院では年間700件程度の白内障手術を行っています。手術希望の方の多くは、「見えづらくなったから白内障だと思う。不自由してきたので手術を決心してきました」という感じで、初診時に手術を申し込みます。

何故自分が白内障だと思ったかと言うと、眼科で診断されていた方もいるのですが、「周りの人がみんな白内障だから、私も白内障だと思った」という方もいらっしゃいます。しかし、見えづらい病気は白内障だけではなく、たまに別の病気が見つかることがあります。

先日来院した70代の女性が見えづらいということで来院。視力検査では矯正視力が0.7でした。この近辺は車が乗れないと困るので、このあたりの視力で来院される方は結構多いです。「白内障で視力が下がっているのかな?」と思って診察を勧めると、重症の緑内障が疑われました。視野検査を行うと

無題

黒い所は見えない部分なので、多くの部分で見えなくなっています。重症な緑内障でした。

もちろん白内障も影響して見づらい原因にはなっているのですが、緑内障の治療が優先されます。緑内障は失明の原因の1位となるほどの病気なのです。

多くの方は白内障手術をするのに勇気が必要なので、受診が遅れる傾向にあります。もしあなたが眼科に行ったことが無くて、見えづらさを感じているのであれば早いうちに眼科を受診してみてください。「まだ白内障手術を行う決心がついていない」と言えば、少なくともうちでは無理には手術を勧めません。