もりや眼科

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ICL手術を受けました②

2017.03.07

本日は白内障手術12件

無事に終わりました。

ICL手術を受けました②

今までは私一人でクリニックをやっていたのでなかなか休みをとることができなかったのですが、今回代診の先生にお願いして2日間お休みをいただきました。
手術したらしばらく運動できないので、前日はしっかり走りこみました。術前から抗生剤の点眼を行うのですが、1日4回でも結構面倒でした。
今回は上野にある吉野先生に手術をお願いしました。
http://www.yoshino-eye-clinic.com/
受付をして、しばらく待合室で待っています。数回散瞳剤の点眼をします。その合間に診察室に呼ばれて、マーキングを行いました。
私の乱視がとても多いので、しっかり角度を合わせる必要があります。今回の手術の肝と言って良い部分だと思います。
普段手術室内では術者の立場でしたが、患者さんの立場になるのが新鮮でした。
目を良く洗浄して、ドレープ(清潔な布)をかけて開瞼器で目を開きます。点眼麻酔が良く聞いているので全然痛くありません。
顕微鏡の光はまぶしかったのですが、次第に慣れてきました。助手が私をのぞき込んだり、目が乾かないように水をかける様子はしっかり見えました。
角膜に約3ミリの創口を作るときは全然感じませんでした。その後に粘弾性物質を入れたり、眼内レンズを入れているのは何となくわかりました。
レンズを虹彩の奥に固定する際には「水晶体が押されている感じ?」がしました。痛いというわけではないのですが、今までに感じたことのない感じです。
その後粘弾性物質を洗浄するときは全く痛くありませんでした。
いきんでいると術者がやりにくいことは知っているので、なるべく力を入れないようにしていました。
手術時間は5分くらいでしょうか?あっという間でした。

両眼の手術なんで、同じことをもう一度繰り返して手術終了です。
手術後に診察を行って、レンズの位置関係を確認します。レンズが水晶体からわずかに離れていることを確認して終了です。
帰宅時はもちろん眼鏡をつけていないのですが、まずまずの見え方でした。しかし、散瞳もしているのですごくはっきりしているわけではありません。
少し遅い昼ご飯を食べながら帰途につきました。

初めの3日間はレンズが入っている違和感のようなものを感じていましたが、その後はなんともありません。痛いという感じではありませんでした。
LEDの光が視界の外から入っていると、丸いキラキラしたリングが見えます。「これがHole ICLの穴なんだ」と思いました。特に邪魔になるほどではなくて、夜間の運転も問題ありません。
4歳と2歳の子供は、私が眼鏡を付けていない状態にすぐ慣れたようです。2歳の娘は朝「お父さん起きて」といいながら眼鏡を投げつけてきていたのですが、その危険もなくなりました。

今まで使用していたフレームを使用して、度数の入っていないレンズに入れ替えました。装用してみると見え方に違和感がありました。近視用のレンズは凹レンズなので、物が小さく(広く)見えます。一方で度数のないレンズはそのままの大きさなので、その違いでしょうか。
自分の雰囲気が変わらないように、外来中はなるべく眼鏡をかけるようにしています。
ICL手術ではコントラスト「色の濃淡」が鮮やかになると聞いていましたが、想像以上です。とても良い手術だとおもいました。
手術費が高いのはネックですが、近視で悩んでいる方には、この良く見える世界を体験してほしいなと思いました。まるで別世界です。

手術のリスクについては、どうしても敏感になると思います。一番のリスクは度数ずれ、乱視矯正不足でしょうか。といっても、私の場合はぴったり合いました。大きくずれることは考えにくいです。次に感染症でしょうか。かなり稀だと思いますが、ゼロではないです。白内障、眼圧上昇も稀ですがリスクだと思います。そのあたりをどう考えるか、ということになると思います。

 ICL手術を受けました③

ICL手術を受けました①

2017.02.27

本日は白内障手術9件

無事に終わりました。

ICL手術を受けました①

先日私はICL手術(近視矯正手術)を受けました。

私の周囲ではまだこの手術をうけた眼科医はいません。多分日本の中でこの手術を受けた眼科医はほとんどいないか、もしくは初めてかもしれません。なので、私がどうしてこの手術を受けようと思ったのか、まだ術前後の経過について書く必要があると思いました。眼科が専門でない方にも分かりやすく書こうと思います。また、後半では専門的なデータも出したいと思っています。

私は小学3年位から眼鏡を必要とする近視があって、そこからずっと眼鏡をかけた生活をしていました。朝起きたらまず行う事は眼鏡をつける事です。そうしないと全く見えません。床屋に行くと、最後に鏡で後頭部を見せてくれるのですが、全く見えません。見えないしぐさをすると鏡を近づけてくれるのですが、それでもさっぱり見えません。自分の顔に目が付いているのかどうかも怪しいくらいの見え方なので、髪の毛がどうなっているのか全くわかりません。

もちろん、眼鏡をつけていると問題なく生活も仕事もできます。プールや温泉、海水浴では眼鏡をつけられないのでやや困ります。以前山梨の温泉に入ったとき、酸で眼鏡のコーティングがやられてしまったようで、眼鏡が真っ白に濁ってしまいました。これは相当大変なことで、自宅に帰るまで大変な思いをして運転した思い出があります(本当は視力が出ない状態で運転してはいけません)。

私が学生の頃にレーシックの技術が日本で普及してきて、知り合いの先生がレーシックを行っていたことから、私も行ってみたいなと思っていました。ただ、急いで手術をするほど困っていなかったので、しばらく様子を見てから行おうと思っていました。私が眼科研修医として勤務していた病院でレーシックを受けられることになり、仕事の同僚がレーシックを受けて快適生活を送れるようになりました。私もやろうかなと思って術前検査を行ったところ、網膜裂孔が発見されたためしばらくレーシックができない事になってしまいました。また、私は近視と乱視がやや強い為、そもそもレーシックにはあまり向いていない目であることも分かりました。レーシックは角膜を削る治療のため、削れる量(=近視矯正量)に限界があるのです。

ちなみに、レーシックはきちんとした眼科医でない医師がトラブルを起こして問題になりました。そのため、レーシック=危ないというイメージが広まってしまいました。私は信頼できる眼科医が手術すれば問題ないものだと思っています。ただ、眼科医でない人が信頼できる眼科医を探すのは難しい事だと思います。

私が眼科を開業する頃から、hole ICLが出てきました。レンズの中央に穴が開いているということに非常に驚きました。しかも、これが非常に見え方がよいという声が聞こえてきました。手術手技自体は白内障術者である私には特に問題ないものであったため、自分のクリニックでも数名手術を行いました。これが非常に喜ばれて、しかも良く視力が出るのです。外来で「先生もこの手術を受けたら良いよ」と言われました。

私は開院してからダイエット目的でジョギングをするようになりました。次第に体力がついてくるとハーフマラソン、フルマラソンと走るようになり、さらには100キロやトレイルマラソン(山の中を駆け抜けるマラソン)も走るようになりました。こうなってくると、眼鏡ではとても不自由します。長距離走っていると汗などで必ず眼鏡が汚れてきてしまうのです。また、雨の中で走るのも大変で、眼鏡を拭けなくなってしまいます。サングラスをかけにくいので、すごく天気が良い中で走るのも実は大変です。今年の夏にはUTMB(モンブランの山の周りを46時間かけて170キロ走る山岳レース)やスパルタスロン(アテネからスパルタまで245キロを走るレース)に参加しようと思っています。毎晩に全力でトレーニングをしているのですが、それでも完走できるかどうか、という程のものです。わずかでも完走できる確率を高める為、ということで手術を決心しました。

多くの人は近視が無い方がいいな、でも手術って大変そうだな。と思っていると思います。ただ、最後はエイヤと決めてしまうしかないのかなと思います。結果として、手術して想像以上の見え方になりました。また次回続きを書きたいと思います。

 ICL手術を受けました②

近視を治す手術(有水晶体眼内レンズ:ICL)当院での治療経過

2015.10.20

本日は白内障手術11件行いました。(乱視用レンズ2件)

無事に手術が終わりました。

近視を治す手術(有水晶体眼内レンズ:ICL)当院での治療経過

 

 

 

 

近視を治す手術というとレーシックが一般的です。レーシックは矯正の精度がとても良いことが素晴らしいのですが、一方で近視が強すぎる人にはあまり向いていません。角膜を多く削ることになるため、近視を矯正できる量に限界があります。そういう方に向いているのが「有水晶体眼内レンズ手術」です。

眼内コンタクトという言い方をする人もいるのですが、コンタクトレンズと同じような度数のレンズを目の中に入れてしまおうというものです。実際に使用するレンズはこんな形をしています。

 

icl_2_1

レンズの中心に穴があいています。この穴は視力に影響が無いように工夫された大きさなんだそうです。また、この穴のお蔭で目の中の水の流れをせき止めることが無くなります。

手術の方法は下の図のとおりです。レンズはペラペラなので、3ミリという小さな傷で手術ができます。

icl_3

 

この手術を行うには認定を受ける必要があって、今回当院ではその認定を取得しました(栃木県では初めてだそうです)

当院で手術を行った方の経過です。

30代女性の方です。手術前は-6Dというとても強い近視でした。近視が強いので、メガネがないと本もよく読めませんでした。

今回手術後1週検査に来院されました。その時の視力なのですが、

RV = 1.5(2.0×C-0.50D Ax 25)
LV = 1.2(1.5×S-0.25D)

分かりやすく言うと、右目はメガネなしで1.5 メガネを付けると2.0.左眼はメガネなしで1.2、メガネを付けると1.5の視力がでました、という事です。ご本人はメガネのない生活ができてとても喜んでいました。

 

 

近視抑制に最適なアトロピンの濃度

2015.08.17

本日は白内障手術11件

無事に終わりました。

近視抑制に最適なアトロピンの濃度

アトロピンの治療を行っていると、近視が明らかに抑制されている人もいれば、そうでない人もいます。

「あんまりアトロピンが効いてないかも?」と思う方でも、多少濃いアトロピンを使用すると近視抑制効果が高くなる人がいます。

下のデータは10歳の子供ですが、2014年11月までは0.01%、それ以降は0.025%を使用しています。ここ半年は眼軸が全く伸びなくなりました。

右眼の眼軸長

2014年1月 22.95mm

2014年11月 23.20mm

2015年2月 23.32mm

2015年5月 23.31mm

2015年8月 23.30mm

近視抑制で使用するアトロピンが低濃度の理由は副作用による見えづらさが生じにくいように、という理由です。ですから、濃度を高めると調節が減ったり散瞳する可能性は高くなると思われ、その点に注意が必要です。0.01%の時もそうでしたが、点眼開始当初にやや散瞳していても、次第に散瞳しなくなってきます。現在アトロピンを0.025%にした数名はそういった副作用は出ていませんが、0.01%でしばらく点眼していたのが理由かもしれません。

アトロピンの効果について

2015.03.09

本日は

白内障手術9件

霰粒腫手術2件

皆さん無事に終わりました。

 

当院でアトロピン点眼して、もうすぐ2年になろうとしている人がちらほら出てきました。ある程度データがそろったらまたお知らせしようかと考えております。

そんな中、一人興味深い症例があったので、それについて書きます。

それは、初診時アトロピンを出したものの、使用せず9か月後に再診。そこから点眼開始して10か月経過した8歳の症例です。眼軸(眼の奥行の長さ:長いほど近視が強い)を追っていくと、

右眼 初診時23.77mm  9か月後24.30mm  点眼開始10か月後 24.55mm

左眼 初診時23.83mm 9か月後24.28mm 点眼開始10か月後 24.56mm

となっていました。

右眼は初診時から9月後まで 0.059mm/月で眼軸が伸びていたものが、点眼開始してからは0.025mm/月でした。また、左眼は初診時から9月後まで 0.050mm/月で眼軸が伸びていたものが、点眼開始してからは0.028mm/月でした。

どちらも、眼軸の伸び方は約半分になっていました。点眼を再開してから徐々に眼軸の伸び方が穏やかになったので、「アトロピンが結構効く」と実感できた症例でした。もっと多くの症例を集めて統計的に処理したいものです。

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