ICLの手術の様子
本日は白内障手術16件、翼状片手術1件を行いました。(うち乱視用レンズ3件)
皆さん無事に手術を終えました。
3月8日は、岩崎先生の涙道外来がありましたが、この日は6件の涙道内視鏡を行いました。半日で外来も相当数こなして、この件数なので驚きです。反響が大きくてなかなか予約が入らなくて申し訳ありません。
ICLの手術の様子
最近当院ではICLの手術の申し込みが増えています。私のように、ICLで快適ライフを送れる人が増えたら嬉しいです。
手術自体は難しいものでは無くて、むしろ術前検査をしっかり行うのが重要だったりします。
まず、約3ミリの傷をつけます。あと、1ミリの小さい傷も別につけます。
金属製の細い管から、ゼリーのような物質(粘弾性物質)を入れます。これで目がぺちゃんこになりません。
インジェクターという専用の道具を用いて、レンズを眼内に入れます。折りたたまれたレンズが見えます。
眼内に入ったレンズは、すぐに広がります。でも、レンズは虹彩の上にあるので、レンズの足を虹彩の下に入れる必要があります。
先の丸い棒を用いて、レンズを虹彩のしたに入れます。左下の足はもう虹彩の奥に入っていて、これから右下の足を入れるところです。4か所とも虹彩の奥に入れます。
ゼリーを吸い取って、瞳孔を縮める薬を使って手術が終わりです。
今回の手術は6分でした。丁寧にやっているのでだいぶゆっくりですが、それでもこれくらいで終わります。通常4-10分くらいでしょうか。
平成30年2月の治療実績
もりや眼科 平成30年2月の手術実績
白内障手術 77件 うち多焦点6件
硝子体手術 12件
眼瞼下垂症手術 5件
後発白内障に対するレーザー治療 6件
閉塞隅角緑内障に対する虹彩レーザー切開術 4件
隅角光凝固術(SLT)1件
霰粒腫切開術 3件
網膜レーザー光凝固術 3件
ボトックスによる眼瞼痙攣治療 1件
涙点プラグ挿入術 2件
翼状片切除術 1件
今月から、当院で両眼同じ日に手術が出来なくなりました。今まで手術を申し込んでいた方、これから申し込まれる方は大変申し訳ありません。
新しい多焦点眼内レンズは、乱視に対応したレンズも発売されました。今まで先進医療に認定されている乱視矯正多焦点眼内レンズが無かったので、とても嬉しいです。使用感の良いレンズなので、適応(このレンズを入れて視力が良く出そうな方・喜んでくれそうな方)を慎重に検討して勧めたいと思います。
病的近視による脈絡膜血管新生
本日は白内障手術を13件
翼状片手術を1件行いました。皆様無事に手術を終えました。
病的近視による脈絡膜血管新生
多分専門外の方はあまり聞いたことの無い病気なのではないでしょうか?でも、結構失明率の高いやっかいな病気なのです。
普通、近視が強いといっても、-6D程度のものだったりします。病的近視は-10D程度の高度な近視で、その場合、眼軸長(目の奥行)が長くなっていて、網膜(カメラでいうフィルム)、脈絡膜(網膜に栄養を与える血管が豊富にある膜)、強膜ともに薄く引き伸ばされています。
その場合、網膜萎縮(網膜がだめになってしまう事)が起きることもありますが、脈絡膜の血管が破裂して、網膜と脈絡膜の間に出血してしまう事があります。これのせいで、昨日まで良く見えていた人が一瞬で視力が0.1以下くらいに下がってしまう事があるのです。病的近視は失明の原因の4番目で、失明原因の6.5%を占めているというものです。病的近視の方が多くない割に、失明する人が多いと言う事になります。
上の写真がこの病気の人の眼底写真です。黄斑に出血があります。出血の範囲はとても狭いですが、これだけで視力がガクッと下がってしまいます。
OCTで黄斑を観察すると、網膜の奥に出血がありました。この方は視力は0.03でした。
抗VEGF薬で治療を行うのですが、なかなか視力が上がりにくかったり、病気を食い止めるのも難しいことがあります。ただ、この方は治療に良く反応しました。
注射の治療を行ってから1週間で矯正視力(眼鏡をかけた視力)が0.4まで上がっていました。今後も様子を見ながら治療を行っていく予定です。
アレルギー性結膜炎に対する点眼治療
2018.02.26 もりや眼科
本日は白内障手術を16件行いました(多焦点1例、乱視用レンズ2例)
全て無事に終わりました。
アレルギー性結膜炎に対する点眼治療
今年はもう花粉が飛び始めていると、天気予報でやっていました。昨年花粉があまり多く飛ばなかったのですが、今年は例年並みだそうです。そのため、昨年大丈夫だった人でも今年は花粉症になるかもしれません。
既に当院でも花粉症の患者さんが来院し始めています。昨年治療を行った方に対して、「初期治療のススメ」ハガキを出したので、意識の高いアレルギー性結膜炎の方は既に点眼を処方していて点眼し始めています。花粉症は発症してしまうと苦しい思いをするので、その前にしっかり点眼を聞かせることで発症をなるべく抑えましょう、というものです。
一般的に使用する点眼は「パタノール」点眼液です。これは非常に効果が高いと評判の良い点眼です。副作用も無いことから、気軽に処方することが出来ます。
パタノールよりも効果が高いですよ、ということで発売されたのが「アレジオン」です。痒みの原因となるヒスタミンを抑える数値が高いとの事です。しかし、パタノールとアレジオンを両方処方して比較したことがないので、どちらが良く効くかという実際の評価は良く分かりません。良く効く薬なのですが、薬価がパタノールよりも高いのが難点です。そのため、保険の負担が無い人、もしくは1割負担の人だと処方しやすいです。
以上の点眼はほとんど副作用が無くて、使用しやすい点眼です。しかし、それでも痒くて大変と言う人には、ステロイドの点眼を処方します。数日であれば問題ないのですが、数週間使用してしまうと眼圧が上がる人がいます。他にも白内障などの副作用がありますが、基本的には長期間使用しなければ大丈夫です。この種の点眼は眼科医によって出す医師と出さない医師がいると思います。
ステロイドの中で一番効果が高いのが「リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%」当院では同等の製品である「サンベタゾン0.1%」を使用しています。
花粉症で悩んでいる眼科医でこれを使っている人が結構多い印象です。それだけ良く効きます。ただ、上に書いたように時々眼圧を測ったほうが良いと思います。
私は現在の職場になってから、アレルギー性鼻炎と結膜炎には殆どならなくなりました。これは職場の中に空気清浄器があるからだと思っています。