早めの緑内障治療が重要です
今回は白内障手術を9件、
眼瞼腫瘍切除術を1件行いました。
みなさん無事に手術を終えました。
早めの緑内障治療が重要です
当院では緑内障手術も行っているので、手術希望ということで来院される方もいらっしゃいます。
1月では2名、大変重症な緑内障の方が来院されました。
そのうちの1人を紹介します。視力は1.0あるのですが、視野は上の通り、ほぼ真っ黒(黒い所は視野が欠けている所です)。中心付近で少し白い所(見えている所)が残っているのですが、ここで物を見ているのです。ラップの芯をさらに細くしたようなもので外を見ている感じです。
こんなに悪くなるまで、点眼で頑張っていたようです。本来これくらい緑内障が進行している人は眼圧を10台前半くらいで押さえたい所ですが、この方は20mmHgありました。点眼では限界が見えた時(点眼のみで視野欠損がどんどん進行するとき)は、早めに手術治療を行った方が良い場合があります。(正確な判断は診察が必要なので、心配な方は受診してください。)
特殊な白内障(帯状角膜変性)
本日は白内障手術を11件行いました。
無事に終了しました。
特殊な白内障(帯状角膜変性)
当院のように白内障を沢山手術していると、いろんな症例に出会います。
先日治療した方ですが、白内障だけではなくて帯状角膜変性症という病気を持っていました。
我々の目にはレンズが2枚入っています。水晶体と角膜です。どちらも凸レンズの役割をしているのですが、当然濁ると見えづらくなります。水晶体は年齢の影響で濁り、白内障になります。角膜が濁って見づらくなることは多くはありませんが、いくつかの病気で濁ることがありますが、そのうちの一つが帯状角膜変性症です。
帯状角膜変性の原因はカルシウムの沈着です。角膜の中心部よりやや下方に濁りが出るのですが、濁りが瞳孔を塞ぐと視力が下がってしまいます。
上の写真は帯状角膜変性の方です。この写真は上の瞼を持ち上げているので瞳孔の一部が見えますが、普段は瞳孔が見えない状態になっていて、視力が出ません。
治療方法として、EDTAや塩酸などで濁りを溶かす方法、特殊なレーザーで混濁毎角膜を薄く削ってしまう方法があります。今回は塩酸で濁りを溶かしました。
少しだけ濁りが残っていますが、大体綺麗に出来ました。これで矯正視力が0.6から1.2まで上がりました。最近反対目も同様の処置をしたので、どれだけ視力が上がるのか、とても楽しみです。
平成28年の治療実績
2017.01.20 手術実績
平成28年の治療実績をまとめました。
昨年よりも、さらに手術件数が増えました。硝子体手術もかなり多くの件数をこなしています。
それに比例して、スタッフや医師の人数が増えました。
眼科検査のスペシャリストであるORTが4人体制になります。こんなにORTが多い眼科はそう多くないと思います。
また、看護師も4人になりました。硝子体注射は必要であれば原則その場で行いますが、看護師が手際よく準備してくれるお陰で可能になります。
医師も、東京から招聘しており、時々2診体制になりました。4月からはほとんどの平日で2診になります。
理想の眼科にすべく、まい進したいと思います。
もりや眼科 平成28年 治療実績
(H27年1月~H27年12月)
・観血的手術 合計 850眼
・白内障手術 705 件
・網膜硝子体手術 91 件
・緑内障手術 9 件
・翼状片手術 16 件
・眼瞼下垂手術 24 件
・眼瞼内反症手術 5 件
・涙器に対する外科的治療 合計 50眼
・涙点プラグ挿入術 48件(ドライアイに対する治療)
・鼻涙管チューブ挿入術 2件(流涙症に対する治療)
・ボトックス治療(眼瞼痙攣治療) 合計 21眼
・抗VEGF薬 硝子体注射 合計 137眼
糖尿病黄斑浮腫・加齢黄斑変性症・網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫、強度近視による脈絡膜新生血管に対する注射
(アバスチン、アイリーア、ルセンティス)
平成28年12月の治療実績
もりや眼科 平成28年12月の手術実績
白内障手術 41件
硝子体手術 4件
霰粒腫切開術 3件
結膜弛緩症手術 1件
翼状片手術 1件
後発白内障に対するレーザー治療 18件
網膜レーザー光凝固術 5件
虹彩光凝固術(挟隅角緑内障に対する治療) 4件
ボトックスによる眼瞼痙攣治療 1件
涙点プラグ挿入術 6件
今年も無事に1年が終えることができました。
昨年よりも手術件数は増加して、白内障手術は700件を超えました。
様々な優秀な医師を招聘して、2診を活用できるようになってきました。
また、検査のエキスパートであるORTは現在3名になりました。来年は1名増えて4名体制になります。
今後一層質の高い眼科医療を提供できるようにしたいと思います。
麻酔をして楽に白内障手術を行う(プレセデックス沈静下白内障手術)
本日は白内障手術を14件行いました。
皆さん無事に終わりました。これで今年の手術はおしまいです。あとで1年の統計を取りたいと思います。
毎年言っていますが、一年があっという間です。
麻酔をして楽に白内障手術を行う(プレセデックス沈静下白内障手術)
白内障手術を躊躇している人の多くは「手術が怖い」と言う理由です。白内障手術が数分で終わって、しかも痛みが殆ど無いとはいえ、目を触られるのに抵抗感がある方がいらっしゃるのはもっともだと思います。
しかし、全身麻酔薬は全身的なリスクがあります。つまり、とっても麻酔薬がとっても聞いてしまう場合、呼吸や血圧の管理が必要になるのです。そのため、一般的には麻酔専門医が全身麻酔を行います。白内障手術で全身麻酔を行うのは極めてまれだと考えて良いと思います(精神病や認知症などでベッド上に安静に出来ない場合などで全身麻酔を行います)。
昨年認定されたプレセデックスという麻酔薬は、呼吸に異常をきたすことが殆どないことから、局所麻酔での手術で使用できるということで厚生省の認可が取れた薬です。
白内障手術でも徐々に使われてきていますが、この薬を投与するのに10分かかるというのがネックです。10分あったら片眼の手術が終わってしまうのです。両眼手術の人はお薬が全部入ることになります。当院で使用しましたが、だんだん全身の緊張がほぐれていくのが分かりました。ぐっすり寝る、と言うわけではなくて、普通通りに歩いて帰宅していました(転倒しないよう注意しましたが、大丈夫そうでした)。