結膜弛緩症の治療で流涙が治る
今回は白内障手術14件
皆さん無事に手術を終えました。
結膜弛緩症の治療で流涙が治る
結膜弛緩症の記事は今まで何度か書いたのですが、今回もとても患者さんが喜んだので記事にしたいと思います。
75歳女性の方なのですが、両目とも涙がでるという訴えがありました。
診察で、あまった結膜がはっきり見えます。
フルオレセインという染料をつけて診察すると、余った結膜が分かります。
本来涙が溜まる場所に結膜が占領してしまうので、生産された涙は目にたまらずにすぐ外に出てしまいます。
そのため、流涙症が生じてしまうのです、
今回は余った結膜を一部切除して、強膜に張り付けました。
先日診察したところ、このようにとてもきれいになっていました。
この手術を行うと、結膜がより白くてきれいになります。本人も流涙症が治まったと喜んでいました。
白内障手術当日の見え方
2016.07.11 白内障
本日は白内障手術を14件行いました。
皆さん無事に手術を終えました。
白内障手術当日の見え方
当院では白内障手術をした後に眼帯をしないで保護ゴーグルをつけてもらっています。
以前は眼帯を使用していたので、全く見えなくなっていたのですが、保護ゴーグルを通して物をみることができます。
そうすると、手術当日の見え方の感想をいろいろ言われるようになりました。「手術後すぐから良く見える」とか、「2時間位してから見えるようになった」とか、「まだ良く見えない」などなど。
以前当院で数名、手術直後の視力を測りました。大まかに言うと裸眼視力0.7(遠くにピントを合わせた場合)ですが、人によって結構違うという結果になりました。人によっては「右は1.2見えるけど、左はまだ0.9しか見えない」なんて言われたこともあります。そういった場合、手術当日なのでそれでも良い方で、明日になるとまた違うと思うと説明しています。
手術直後は目の中の水(房水)の状態も安定していないし、瞳孔も開いているし、眼内に入れた人工レンズの位置もまだうまく定まっていない状態です。そのため、手術当日の見え方はあまり神経質にならなくていいと思います。もちろん手術直後から良く見えたと言ってもらえるのは嬉しいです。なるべく早く視力が上がるように、綺麗に手術をしています。
平成28年6月の治療実績
2016.07.04 手術実績
アレルギーがとても強く出る人
2016.07.04 涙器
本日は白内障手術12件
翼状片手術1件
眼窩脂肪ヘルニア手術2件
無事に終わりました。
アレルギーがとても強く出る人
アレルギーというと免疫が異常に強く出た状態のことなので、通常血液検査などで抗体の強さを判別します。一方で、眼科のアレルギー性結膜炎は、この血液検査があてにならないことが良くあります。
アレルギー性結膜炎の発症に強くかかわっているのが「涙」です。涙は目の表面を掃除する機能を持っているので、涙の生産量が落ちるとアレルギー性結膜炎が強く生じやすくなってしまいます。
これは60歳の女性のかたですが、とても痒いという主訴で来院されました。たしかに、眼瞼結膜(上の写真の矢印)がとても充血しています。
目の表面を診察してもキズ(点状表層角膜症)がすくないので、ドライアイが大したものないかと思いきや
シルマーテストをすると、ろ紙にあまり涙がしみてきません。結構強いドライアイがあることがわかりました。
このような場合は、アレルギー点眼だけでなく、ドライアイの治療も併用することになります。
落屑症候群と白内障手術
今週は白内障手術18件
無事に終わりました。最近忙しくてブログが更新できませんでした。
無理ない範囲で更新していこうと思います。
落屑症候群と白内障手術
以前ブログで落屑症候群について書いたところ、よく検査されるせいか、問い合わせが時々あります。
大まかにいうと
・落屑緑内障が怖い
・落屑で目の中がいっぱいになってしまうのでは?
・落屑症候群があるから白内障手術が難しいといわれて怖い
という内容が多いです。眼科医は診察用顕微鏡で患者さんの目を見れるので、病状を詳しく把握できるのですが、実際に診察を受ける患者さんは自分の目を診察できません。そのため、「落屑」という得体のしれないものに恐怖を抱くようです。
落屑緑内障が怖い・・・一般の緑内障よりも進行が速いことがあります。また、眼圧が毎回変動することがあります。落屑の程度や視神経の具合によるので、正確には診察をしないと何とも言えません。かかりつけ医とよく話し合うのが大事です。
落屑で目が一杯にはなりません。なったら大変ですが。実際には眼の中の水の流れに従って目の外に排出されるようです。
落屑症候群があって手術が難しい・・・落屑があると、水晶体の支えであるチン小体が弱いことがあります。あまりに弱いと手術が難しいことがあります。これも程度問題で、チン小体があまり弱くなっていないもの、とても弱くなっているものがあり、それぞれで対応が異なります。
上の写真は落屑症候群の方です。赤い矢印の先に白い落屑が少し見えます。この方は主治医に「白内障手術がとても難しい、手術を2度に分けて行うことがある」と説明を受けたようです。確かに落屑は少しあるのですが、そこまで不安にさせなくても良いのでは?という感じです。
上の写真2枚は別の方の写真です。こちら方のほうが落屑が多いです。右の写真は瞳孔のフチ全周が白くなっています。これで、さらに散瞳剤を付けても瞳孔があまり大きく開かないようであれば「手術が難しいかもしれませんよ」という説明をしたほうがいいと思います。
眼科医が「あたりまえ」と思っていることでも、患者さんからしてみればまったく意味が分からない・・なんてことはよくあります。落屑は特に分かりにくいと思うので、良く説明するようにしています。