黄斑前膜に対する硝子体手術
2014.12.23 網膜
本日は白内障手術10件行いました。
皆さん無事に終わりました。これで今年の手術は終了です。
黄斑前膜に対する硝子体手術
黄斑前膜(おうはんぜんまく)とは、網膜の中心部分である黄斑に膜が張ってしまう病気です。黄斑に出来た膜は、時間とともに縮む性質があるため、黄斑にシワが出来てしまいます。そうすると、変視症(ゆがんで見える)や視力低下の原因になります。

上は正常の黄斑のOCT画像です。黄斑の中心は、矢印のようにくぼんでいます。
上は黄斑前膜のOCT画像です。赤い矢印の部分に膜が一枚ありますが、これが黄斑前膜です。黄斑前膜によって、その下にある黄斑にシワができています。また、黄斑の中心にあるはずのくぼみも無くなっています。この方は、この病気によって矯正視力が0.6まで下がっていました。
上は硝子体手術を行った後の写真です。黄斑の表面にあった黄斑前膜が完全になくなっています。視力は無事に1.0まで回復しましたが、黄斑のくぼみはまだできていません。黄斑前膜によって一旦網膜にシワが出来てしまうと、手術を行って黄斑前膜を綺麗にはがしてもシワが完全に伸びないこともあります。
手術をしてどのくらいの視力になるのか、手術の前に良く説明しなくてはなりません。
・黄斑前膜によるシワが多い
・黄斑前膜になっていた期間が長い
・黄斑前膜によって視力が落ちている
このような条件があると、視力が回復しにくい傾向にあるようです。黄斑前膜になってから早い時期(半年位)だと視力が上がりやすいように思えます。しかし、黄斑前膜は放置しておくとだんだんシワが増えて視力をさらに下げることがあるので、黄斑前膜になって時間が経っていて視力が上がりにくいと予想されていても手術を行うこともあります。
黄斑前膜の症状の一つは変視症なので、歪み方を調べるためにアムスラーチャートを用います。
このような格子模様を診てもらうと、どこがどのくらい歪むのかが分かります。片目ずつ、格子の中心の点を見てもらい、どこが歪むかを記していきます。
先ほどの人は視力が1.0まで回復しましたが、上の図のとおり歪みは少し残っています(術後2か月)。術後半年から1年くらいかけてゆっくりと歪みが減ることがあります。
網膜剥離について
2014.12.09
本日は
白内障手術10件
翼状片手術1件
無事に終わりました。
網膜剥離について
以前飛蚊症について記事にしました。眼の中にある硝子体が年齢とともに縮んでいくのですが、稀に網膜を巻き込んで縮んでいくことがあります。そうした場合に、網膜に傷(裂孔)を作って、そこから網膜が剥がれてしまいます。これを網膜剥離と言います。
これは実際の網膜剥離の写真です。左上に裂孔が2つあり、そこから網膜が一部剥離(はがれて)います。
網膜の比重は水や硝子体より重いので、眼球の上方に裂孔ができた場合は比較的早い速度で網膜剥離が進行してしまいます。逆に、下方に出来た場合は、網膜剥離の進行が遅いこともあります。そのため、自覚症状が出にくく、逆に眼科に受診するまでに時間がかかってしまった、という事もあります。
網膜は、その奥にある脈絡膜としっかり張り付いていることが重要です。脈絡膜は血管が豊富で、血流が豊かなので、網膜はそこから栄養をもらっています。網膜剥離の状態が続くと、網膜が死滅してしまうのです。そのため、網膜剥離は比較的早い時期に手術を行った方が良い、とされています。
網膜剥離で大事なのは、黄斑が維持できるかどうか、ということです。黄斑とは網膜の中のど真ん中の事です。

これは、上の写真と同じ人です。黒矢印の部分が黄斑です。この写真の中には網膜剥離のところは認めません。黄斑が剥がれていないので、視力は良好です。(別に、黄斑前膜もありますが・・)

これは別の人の写真ですが、黄斑も剥がれてしまっていました。そのため、視力も0.05まで低下していました。このような場合、手術をして視力が上がったとしても、変視症(ゆがんで見える)が生じることもあります。
白内障による複視(片目で2つに見える)
2014.12.02
本日は白内障手術12件
無事に終わりました。
白内障による複視(片目で2つに見える)
白内障も色々な種類があって、それぞれに見えかたが異なります。色彩が落ちて行ったり、眩しく見えたり、近視が進んだりするものもあります。
複視もその中のひとつです。複視というのは英語でdouble visionといって、ものが2つに見えてしまう事です。通常、こういった場合は、左右の目が違う方向を向いていることが多いのですが(斜視)、片目でも2つに見えてしまうことがあります。これを単眼複視といいます。白内障が原因の場合、3つみ見えることが多く(それ以上の数に見えることもありますが)、三重視と言ったりもします。
白内障が原因で、水晶体に濁っているところと、それほど濁っていない場所ができることがあります。そうすると、回折という現象が起きます。
光は、細いところを通ると進行方向が変わるという特性があります。この回折現象が複数の箇所で生じると複視の原因になります。もちろん、手術を行うと治ります。





