もりや眼科

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前立腺の薬で白内障の手術が難しくなる

2013.01.25

先週のおわりから喉の痛みと咳が続いています。
はじめは声も出にくくて、手術の説明など聞きにくかったかと思います。すいません。
患者さんのなかに、一言も喋らない患者さんがいて、どうやら私と同じような症状のようでした。
このタイプの咳が流行っているのでしょうか?皆さんにうつさないようマスクをつけて診療を行いたいと思います。

前立腺の薬で白内障の手術が難しくなる

 

当院では、手術を申し込んだ段階で内科などの内服約のチェックを行います。血液をさらさらにする薬(バイアスピリンなど)は、一般的な外科手術では手術前に内服中止することもありますが、当院の白内障手術では内服中止する必要はありません。術後に白目が赤くなることもありますが、手術の成績には変わりありません。

 

一方で、前立腺肥大の薬(ハルナール、ユリーフ、フリバス、ユリーフ、バソメット、エブランチル、ミニプレスなど)を飲んでいる方には注意が必要です。前立腺肥大の薬を長期間内服していると、虹彩がふにゃふにゃになってしまうことがあります。これをIFIS(アイフィス)といいます。

 IFIS

水晶体の前にある茶色い部分が虹彩です。水晶体は虹彩の奥にあるので、手術中に虹彩がバタバタすると、手術の邪魔になってしまいます。手術を中止するほどのIFISにはであったことはありませんが、慎重に手術をしなくてはなりません。

 

手術前に前立腺肥大薬の内服をやめても、IFISのなりやすさは変わりません。そのため、内服は続けてもらっています。最近は前立腺肥大の薬もジェネリックが増えてきたのでチェックが大変になってきました。前立腺肥大の薬を長期間内服するとIFISになりやすいようなので、このような方はやや早めのタイミングで白内障を手術しても良いかもしれません。小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科

点眼薬に入っている防腐剤

2013.01.22


昨日はパソコンの調子が悪くて更新できませんでした。
良く調べると、ハードディスクの一部が読み込めないようです。直すの大変そうだな・・・

昨日は白内障手術を4件行いました。すべて順調に終わりました。
術後視力も良好で、本日とても喜んでいただきました。

点眼薬に入っている防腐剤

 

 

今回は点眼薬に入っている防腐剤について説明したいと思います。緑内障の点眼薬はほかの点眼薬と比べて、かなり長い期間点眼を続けることになります。角膜の丈夫な人は全然問題ありませんが、角膜の弱い人は防腐剤によって傷むことがあります。

 

 

点眼薬は開封した後で、腐らないようにする役割があります。たいていの点眼薬は、開封してから1か月程度は腐らないようにできていますが、飲みかけのジュースを1か月放っておいたら腐ってしまって大変なことになります。ですから、防腐剤は決して悪者ではなくて、大事な成分なのです。

 

 

防腐剤で角膜が傷むと、点状表層角膜症といって角膜に点々と傷がつきます。下の写真はフルオレセインという黄緑色の染色液を付けて、青い光を当てて診察したところです。本当は角膜の表面は染まらないのですが、角膜の表面全体に点状の傷がついているので良く染まっていることが分かります。

 SPK

 

 

ドライアイでも、このような傷がつくことがありますが、傷のつき方が違うので区別できます。ドライアイの場合は角膜保護剤の点眼をすると治りますが、防腐剤による点状表層角膜症は、あくまで防腐剤が原因なので、角膜保護剤ではなかなか治りません。そのため、傷の原因をしっかり区別して治療することが必要になります。

 

 

 

緑内障の点眼薬の中で、β遮断薬を点眼すると涙の出る量が減ることがあります。そのため、点状表層角膜症を悪化させる要因になることもあります。

緑内障点眼薬について(交感神経を抑える薬:ベータ受容体遮断薬)

https:/moriyaganka.com/blog/12994106.html

 

 

緑内障点眼薬のなかには、防腐剤を工夫している製品もあります。そのため、点状表層角膜症が生じてしまった患者さんでは、点眼薬を変更して対処することもあります。

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白内障手術の麻酔

2013.01.17

現在当院でオルソケラトロジーを入れるべく、準備中です。残念ながら、私は近視も乱視も度数が強すぎるので自分で体験することができません。日中コンタクトをしなくて良いので、運動している方にはとても良いと思います。導入が決まったら、詳しいことを書きたいと思います。

白内障手術の麻酔

 

白内障手術の麻酔は、時代とともにかなり変化しています。ただ、麻酔方法が進歩したというよりも、白内障手術における目の負担が減ったことが原因だと思います。

 

・まばたきを抑える麻酔

瞬きを抑えることで手術をやりやすくします。いくつか方法はありますが、上下のまぶたに麻酔薬を注射します。皮下に注射するので、若干痛いことがあります。

 

・目の奥に効かせる麻酔(皮膚からの注射)

下まぶたの頬の骨の上あたりに、皮膚に垂直に注射針をさします。そのまま眼球まで針をもっていって、眼球の裏側に麻酔薬を注射します。痛みも完全になくなりますが、目を動かす筋肉や、まぶたを動かす筋肉も麻痺します。また、視神経も麻痺すると、麻酔が覚めるまで見えなくなります。

 

・目の奥に効かせる麻酔(白目からの注射)

上の麻酔とほぼ同じ部分に聴かせるのですが、白目を経由して注射します。この麻酔も痛みはほぼ完全になくなります。点眼麻酔を効かせてから行うと、いつ麻酔されたかわからないうちに終わります。

 

・点眼麻酔

点眼されたときはしみますが、今回挙げた麻酔のなかでもっとも患者さんの負担が少ない 麻酔です。点眼薬が触れたところだけ麻酔が効くので「表面麻酔」ともいいます。目に負担の少ない手術を行うと、この麻酔だけでも全く痛みを感じません。

 

以前白内障手術を受けた方からお話を伺うと、「皮膚に注射するのが痛かった」などという話を時々聞きます。白内障手術の器械が進歩する以前は、傷の大きさがとても大きく、目の負担も大きい手術であったため、おおがかりな麻酔が必要でした。「痛みを取る麻酔のために痛くなるのは本末転倒では?」と思ったこともありました。

 

当院では点眼麻酔(+白目の注射)をしますが、患者さんの負担が少ない良い麻酔だと思います。恐らく、患者さんは手術前後に麻酔の事を意識しないと思います。小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科

緑内障が進むと免許がとれない?

2013.01.14

今週は月曜日が祭日なので、手術はお休みです。来週からまた頑張りたいと思います。

緑内障が進むと免許がとれない?



小山市は車社会なので、生活する上で車の運転が必要という方が多くいらっしゃいます。しかし、運転免許証には視力の基準があるため、視力低下をした人は、運転免許の更新ができません。緑内障は末期には失明する病気なので、進行した緑内障では免許が更新できなくなります。でも、それはどのタイミングなのでしょうか?

法的な基準でいうと、両目で0.7の視力がでれば普通自動車免許が更新でき、運転できます。また、原付でも0.5で運転できます。

失明の原因第1位の緑内障ですが、多くのタイプで緑内障がある程度進行しても視力が保たれていることが多いのです。それは何故でしょうか?私たちは普段視野の中心あたりで物を見ます(固視点といいます)。視野の中心は、一番物を細かく見ることができるようになっています。従って、視野の中心が保たれている限り視力は殆ど低下しません。固視点1



緑内障は周辺から視野が欠けていくことが多く、そのため緑内障が進行しているにもかかわらず視力が出ていることがあります。(視野の中心が欠けてしまった場合は視力も急激に落ちることもあります)


固視点2

緑内障も末期になるとかなり視野が狭くなりますが、どこまで視野が狭くなると運転ができなくなるかの基準はありません。視野が半分欠けると身体障害者6級の基準として認定されますが、そのくらい欠けていると例え視力があったとしてもかなり危ないと思います。視野が狭いということは、運転中に横から何かが飛び出してきても気がつかない、ということになり、交通事故のリスクになります。



法律で定められていない以上、どこまで視野が欠けたら運転を辞めるかは本人の意思次第ということになります。モラルの低い運転手による交通事故が問題視されている今日では、運転免許で視野の基準があっても良いと思います。小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科

白内障手術と角膜内皮細胞

2013.01.10

今週は乱視用のレンズを使った白内障手術を3例行いましたが、どの症例も乱視がかなり減りました。そのうちの一人はメガネなしで免許更新出来たとのことです。今後も適応症例はどんどん使っていきたいと思います。

白内障手術と角膜内皮細胞

 

今回は角膜内皮細胞について説明したいと思います。白内障手術を行う方は必ず手術前にこの検査を行いますが、この細胞がどういう役割をしているのか、一般にはあまり知られていません。

 

角膜は眼球の表面にありますが、目の中に光を導くために透明になっています。実は角膜が透明であることはとても難しいことで、角膜の中の水分量が多くなりすぎると濁ってしまうのです。角膜は勝手に水分を吸収してしまう性質があるので、何もしないと濁ってしまいます。 

角膜内皮細胞という細胞は角膜の一番内側にあります。下の写真の赤線の部分にびっしりと細胞が敷き詰められています。角膜の水分は、この細胞によって角膜の外に排出されるのです。

 角膜断面図

下の写真は正常な方の角膜内皮細胞です。

 多い内皮

青線の中が角膜内皮細胞の写真です。小さい細胞が隙間なく敷き詰められているのが分かると思います。その右にある赤枠の「CD」と書いてあるのが細胞の密度です。正常は2千から3千くらいです。生まれたときは4千以上あるようです。

 少ない内皮

上の写真は先日当院で白内障手術を行った方です。左の写真では、ひとつひとつの細胞が大きいことがわかります。数が減ると、1個あたりの細胞の大きさが大きくなります。角膜内皮細胞の密度を見ると1299で、とても少なくなっているのが分かります。

 

角膜内皮細胞が500より少なくなると、角膜が濁りやすくなります。角膜内皮細胞が減ることで角膜が濁ることを「水疱性角膜症」と言います。

水疱性角膜症症例
 

上の写真は水疱性角膜症の写真です。角膜の中心が白っぽく濁っています。角膜が濁ると視力はうまくでません。

 

角膜内皮細胞は増える機能がない細胞で、つまり、生まれてから死ぬまで減り続ける細胞です。また、角膜の裏側にあるので、白内障手術である程度(平均で5%程度)減ってしまうのです。そのため、手術の前に角膜内皮細胞を良く調べる必要があります。角膜内皮細胞が少ない人は、手術を慎重に行う必要がありますし、手術後に角膜が濁る可能性があることを患者さんに伝える必要があります。小山市 結城市 筑西市 栃木市 下野市 古河市 栃木市 白内障手術 緑内障手術 もりや眼科

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