稗粒腫(はいりゅうしゅ)
2016.01.20 もりや眼科
今週は白内障手術13件(乱視用レンズ4件、入院3件)
皆さん無事に終わりました。本日は緊張が強い方がいらっしゃいたので、なるべく負担にならないように手際よく手術しました。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)
稗粒腫とは、皮膚の浅いところに出来て、角質がたまってできた出来物の事です。瞼の淵にも、このような白いできものができることがあります。一般的に瞼のふちには霰粒腫と呼ばれるできものができやすいのですが、それとは別の出来物です。
赤い矢印の先にぽつっと出来ていますが、これが稗粒腫です。この方は、当院に来院される前に別の眼科を受診したようですが、そこでは取れないと言われたようです。でも、これは結構簡単に取ることができます。皮膚の部分が薄くなっている関係で、麻酔なしで切開しても痛くありません(麻酔するために結局は針を刺さなくてはならないです)。
27Gという細い針で皮膚を少し切開して中身を繰り出します。うまくやれば一塊で取れます。うまく取れたらすっきりします。
このような白いものが取れました。
傷跡から少し出血しますが、徐々に治ります。
いろいろな多焦点眼内レンズ
2016.01.07
今週は白内障手術13件、翼状片1件、結膜弛緩症手術1件を行いました。
皆さん無事に手術を終えました。
いろいろな多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズというと、「遠くも近くも見える夢のレンズ」と思いがちですが、実際には欠点があります。
くっきり度合いが減ったり、眩しく感じたり、色の濃淡が分かりにくくなったりすることがあります。
そのため、最近では加入度数を減らしたレンズが発売されるようになりました。
加入度数がしっかりある場合は、遠くと近くが見えます。逆に、中間距離の視力が若干出にくいことがあります。
加入度数が少ないと、遠くと中間距離(パソコンの画面くらい)が見えます。
加入度数が少ない場合、近くを見るときにはやはり眼鏡が必要になってしまうのですが、くっきり度合いが減ったり、眩しく感じたり、色の濃淡が分かりにくくなるという欠点が緩和されます。
多焦点眼内レンズはただでさえ費用がかかる手術なので、その分「高いレンズを使ったのにくっきりしないなんて何事か!」ということになりやすいのですが、加入度数が少ないとこういうトラブルが減ることになります。
もちろん、加入度数がしっかりあった方がいい場合もあるので、そのあたりは患者さん一人一人と良く相談して決めています。
レンズを入れた後の目の写真。回折型多焦点レンズ特有のギザギザがレンズの表面に見えます。
平成27年の治療実績
2015.12.25 手術実績
平成27年の治療実績をまとめました。
今年も白内障、硝子体手術の件数は増加しました。県内で何番目に手術している施設なのか、詳細なデータはないのですが、栃木県にある眼科約100件中でおそらく5番目くらい(大学病院も含めて)でしょうか。以前当院で手術を行った方の評判を聞いて受診したという方も多くいらっしゃいました。このような方は「すごくよかった」という噂を聞いて来院しているので、私の方も「その期待に応えないと」と思います。
白内障手術に関しては、通常のレンズは紫外線カット、ブルーライトカット、長期にわたり濁りが生じにくいというレンズを用いています。手術して2年以上の患者さんを診るのですが、やはり圧倒的にきれいです。
他にも、乱視がある患者さんには乱視を治すレンズも使用しています。眼鏡なしの視力が極力上がるようにこだわっているつもりです。
多焦点レンズも扱っています。多焦点レンズは値段が高い事もあって「通常のレンズより良いレンズ」と思われがちです。しかし、実際には長所(遠くと近くが見える)だけでなく、短所(ギラギラみえる、ピントが少し甘くなる、夜の運転が眩しい、など)も良く説明しています。そうすることで、納得して満足度の高い手術を行っています。今年新しく使用できるようになったレンティスというドイツ製のレンズは、オーダーメイドのレンズで、値段は高いのですが、それだけ手術後の見え方も良いレンズです。確か、栃木県の中でこのレンズを使用できる施設は当院のみだったと思います。使用できるレンズの幅を広くすることで、多くの人の要求に対応できるようにしたいと思います。
「手術」というと緊張してしまう方も沢山いらっしゃいます。必要に応じて緊張をほぐす薬を使用したり、良く話掛けながら手術を行っています。「安心して手術出来た」と感想を行っていただける方も沢山いらっしゃいます。
来年も理想の眼科医療を目指すべく、日々精進したいと思います。
もりや眼科 平成27年 治療実績
(H27年1月~H27年12月)
・観血的手術 合計 754眼
・白内障手術 604 件
・網膜硝子体手術 79 件
・緑内障手術 9 件
・翼状片手術 16 件
・眼瞼下垂手術 36 件
・眼瞼内反症手術 10 件
・涙器に対する外科的治療 合計 22眼
・涙点プラグ挿入術 15件(ドライアイに対する治療)
・鼻涙管チューブ挿入術 7件(流涙症に対する治療)
・ボトックス治療(眼瞼痙攣治療) 合計 18眼
・抗VEGF薬 硝子体注射 合計 145眼
糖尿病黄斑浮腫・加齢黄斑変性症・網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫、強度近視による脈絡膜新生血管に対する注射
(アバスチン、アイリーア、ルセンティス)
もりや眼科 平成27年12月の手術実績
もりや眼科 平成27年12月の手術実績
白内障手術 55件
硝子体手術 10件
眼瞼下垂症手術4件
緑内障手術 2件
霰粒腫摘出術 1件
眼瞼内反症手術 1件
後発白内障に対するレーザー治療 5件
緑内障に対するレーザー治療(SLTレーザー)1件
閉塞隅角緑内障に対するレーザー治療(虹彩光凝固術) 3件
翼状片手術 1件
ボトックス(眼瞼痙攣に対する治療) 2件
網膜レーザー光凝固術 14件
結膜弛緩症手術3件
涙点プラグ挿入術 3件
今日はクリニックの大掃除をしました。普段掃除をしないところはやはり埃が多く溜まっていました。
当院は院内を結構きれいにしていると思うのですが、今後も清潔を保っていきたいと思います。
角膜のケガ
2015.12.22 もりや眼科
本日は白内障手術12件
緑内障手術(エクスプレスシャント)1件
無事に終わりました。
そのうちの一人は、手術の時に眼内レンズを入れて手術を終える準備をしている最中に「見える!」と言っていました。良く見えると言うのが早すぎでビックリしました。
また、強度近視だった方は、手術後2時間ですでに「良く見える!」と喜んでいました。明日の視力測定が楽しみです。
角膜のケガ(角膜鉄片)
外来をやっていると色んな怪我をした患者さんが来ます。先週は植物で目を怪我した人がきました。なんと焼酎で消毒したようです。痛くないのでしょうか?消毒したのに良くならないから来院したそうです。角膜についた傷から感染していました。今日診察したところ大分治っていたので一安心です。
ケガのなかで最も多い部類に入るのが角膜鉄片です。サンダーという器械を私は良く知らないのですが、これをゴーグルなしで使用すると良く角膜鉄片になります。角膜はとても敏感なところなので、ちょっとしたことでもとても痛く感じてしまいます。
赤い矢印の先に黒いものがめり込んでいます。大体外来で見る鉄片の大きさはこれくらいです。大きいとめり込まないし、小さいと軽いのでめり込まないようです。
こういう状態になっても、数日我慢する人が時々います。しかし、一旦めり込んだ鉄片は取ってやらないと治りません。我慢せずに受診してもらいたいものです。
めり込んだ鉄は酸化すると酸性になります。この酸に殺菌効果があるようで、実は感染しにくいです。鉄片とその周りに出来たサビを取った後が一番感染しやすいので、しっかり抗菌薬を使用するのが大切です。