もりや眼科

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アトロピン点眼治療の様子

2013.08.26

本日は白内障手術8件
眼瞼内反症手術1件
翼状片手術1件
すべて無事に終わりました。

アトロピン点眼治療の様子

 

4月からアトロピン点眼治療を開始して、2人だけですが再診しました。

まだ開始して3か月ですが、全く近視は進行しておらず、眼軸長も全く伸びていませんでした。今後もっと人数と期間が増えてくれば、アトロピンの作用がはっきり分かるようになると思います。

 

気になっていた副作用については、まったくありませんでした。文献によると、0.01%では殆ど散瞳しないということでしたが、その通りでした。また、調節力が落ちて不自由を感じている方もいませんでした。アレルギー性結膜炎の副作用が最も頻度が高いようですが、その訴えも現在のところありません。

 

簡単ですが、当院で行っている治療の根拠となっている論文を紹介します。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21963266

アトロピン0.5%、0.1%、0.01%の安全性と有効性を検討した論文です。オフサルモロジーという雑誌は、眼科の中でも権威ある雑誌です。

 

この論文では、400人の子供(6-12歳)を2年間にわたって調査しています。

2年間での近視進行度ですが、-0.3D (0.5%) -0.38D(0.1)  -0.49D (0.01%)ということでした。以前の論文で、-1.2D(アトロピン点眼なし)-0.28D(1%)だったようです。0.01%だと、高濃度アトロピンより効果が落ちる感じがしますが、点眼していない時と比較すると微々たる違いなのが分かります。

 

2年間での眼軸長の変化は、0.27mm(0.5%)  0.28mm(0.1)  0.41mm(0.01%)でした。基本的には眼軸(眼の奥行の長さ)が長くなると近視が進みます。これも、0.01%で効果が低い(眼軸長が伸びている)感じがしますが、これもわずかな差でしかないようです。

 

0.01%アトロピンの魅力は、副作用の少なさです。他の濃度ではアレルギー性結膜炎が生じたようですが、0.01%では生じなかったようです。

 

緑内障インプラント手術(エクスプレスシャント)

2013.08.05

緑内障インプラント手術(エクスプレスシャント)

 

白内障手術 14

 うち乱視用眼内レンズ 2

 うち多焦点眼内レンズ 2

硝子体手術 7件(うち入院2件)

眼瞼内反症手術 1

緑内障インプラント(エクスプレスシャント)手術 1

 

無事に終了しました。スタッフのみなさんお疲れ様でした。

 

当院では最近糖尿病網膜症の重症な方が多くいらっしゃいます。当然網膜もやられてしまうのですが、新生血管緑内障になって来院される方もいらっしゃいます。新生血管緑内障については以前記事を書きました。ます、レーザー治療と、抗VEGF抗体硝子体注射をすぐに行うのですが

https:/moriyaganka.com/blog/29042772.html

https:/moriyaganka.com/blog/22015490.html

それでもなかなか眼圧がさがらないことも良くあります。眼圧を下げる点眼や内服では限界があるので、どうしようもなくなった場合は手術をせざるを得ません。

緑内障の手術はいくつもの術式がありますが、新生血管緑内障に行う術式は「線維柱帯切除術」という術式です。これは眼の中の水を外に逃がしてやる手術です。

 

眼球の表面は、強膜という固い部分の上に結膜というぶよぶよの膜があります。

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結膜と強膜の間に眼の中の水を誘導します。この水の通り道を強膜に作成するのですが、通り道が大きすぎると水がダダ漏れになってしまいますし、通り道が治ってしまうと手術の効果が無くなってしまいます。このバランスがとても難しい手術なのです。

 

昨年4月に日本で承認されたエクスプレスという製品は、眼の中の水を外に逃がす通り道を確保する器械です。これを挿入すると、その部分の水の通り道が確保されます。手術後の眼圧管理がとても楽になります。

 エクスプレス
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本来、新生血管緑内障に対する緑内障手術の成績は、他の緑内障に対する手術と比較して悪いことが分かっています。しかし、このエクスプレスを使うと、眼圧コントロールが行いやすくなったと思います。今後の経過が楽しみです。

 

もりや眼科 平成25年7月の手術実績

2013.07.31

もりや眼科 平成257月の手術実績

 

白内障手術  36

霰粒腫摘出術 4

後発白内障に対するレーザー治療 5

網膜レーザー光凝固術 4

レーザー虹彩切開術 1

涙道シリコンチューブ挿入術 4

涙点プラグ挿入術 2

眼瞼内反症手術 1

 

このところ、糖尿病網膜症で重症な方が多くいらっしゃっています。網膜症も軽度のうちに治療すれば視力が落ちないのですが、重症な方は治療しても視力が回復しにくい方もいらっしゃいます。当院では、糖尿病黄斑浮腫は初診時に抗VEGF薬の硝子体注射を行いますが、時間がたった浮腫だと視力が改善しにくいです。他にも、硝子体出血や新生血管緑内障の方もいらっしゃいました。もっと早く見せてもらえたら簡単に治せたのに・・と思います。来月は忙しい1か月になりそうです。

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糖尿病性ぶどう膜炎

2013.07.29

本日は白内障手術を9件行いました。
みなさん無事に終わりました。

糖尿病性ぶどう膜炎

 

糖尿病はさまざまな目の合併症を引き起こします。一番多いのは網膜症ですが、たまにぶどう炎を起こすことがあります。ぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの部分の総称です。この場所は、炎症を起こしやすいことが知られています。ぶどう膜炎は、サルコイドーシスやベーチェット病などの病気に合併することが多いのですが、糖尿病が原因になることがあります。
糖尿病で生じるぶどう膜炎は、症状が激しいことが多く、前房(目の中の水)に強い炎症を生じ、フィブリン膜が張りだしてきます。
目の中に炎症があると、虹彩癒着といって、虹彩と水晶体がくっついてしまします。それを防ぐために、ステロイドの点眼をしながら、瞳孔を開いたり戻したりして動かすことで癒着をしないようにします。下の写真では、赤矢印のところで虹彩と水晶体が癒着しています。虹彩に癒着があっても新しいものであれば点眼だけで外れることもあります。

糖尿病性ぶどう膜炎2

また、目の中で炎症が起きていると、目の中の水(房水)のめぐりが悪くなって、眼圧が上がることがあります。この場合は、眼圧を下げる点眼をしながら、ステロイドの点眼で炎症を抑えます。

 

結局のところ、糖尿病が原因なので、原因となる病気をしっかり治療してもらうことになります。殆どの場合、糖尿病網膜症が合併しているので、レーザー治療を行い、網膜症を改善していくと、糖尿病性ぶどう膜炎も良くなっていることが多いです。

 

糖尿病性ぶどう膜炎は、白内障になることがありますが、ぶどう膜炎がしっかり落ち着いていないと、手術が原因でぶどう膜炎が再発してしまいます。約半年落ち着いているのを見計らって手術を行うと良いと思います。

 

糖尿病手帳と糖尿病眼手帳

2013.07.08

先日、当院開院1周年を迎えました。当初は待合もかなり空いていたのですが、現在ではいっぱいになることも出てきました。これについては後日改めて報告したいと思います。

本日は白内障手術を9件行いました。(乱視用レンズ3件、入院2件)
みなさん無事に終わりました。

糖尿病手帳と糖尿病眼手帳

 

糖尿病網膜症は、当然ながら糖尿病にかかってないと起こりません。また、糖尿病が重症で、期間が長いほど網膜症になりやすいことが分かっています。例え現在の血糖値が良い人でも、以前に悪かった人も要注意です。そのため、当院に来院される方は、糖尿病手帳の提出をお願いしています。現在の糖尿病の様子だけでなく、過去の様子も知りたいのです。

 糖尿病手帳

糖尿病手帳も、いくつか種類があります。内科の情報だけでなく、眼の状態も書けるようになっているものもあります。私は、これを渡されるとぱらぱらと見渡して、昔悪くなかったかを見ます。

 

当院で診察を受けた糖尿病網膜症の患者さんには、糖尿病眼手帳を渡しています。
糖尿病眼手帳
糖尿病眼手帳2

 

手帳を渡す理由は2つあります。一つは、患者さんに自分の眼のことをもっと知ってほしいということ。特に糖尿病網膜症に患者さんは、自分の病気に無関心の人が多いと思います。恐らく視力が下がるまでは、なぜ糖尿病網膜症が怖いのかわからないのだと思いますが、視力が下がってから初めてあわてる方が多いと思います。別のホームページの資料ですが、約半数の患者さんは、自分の糖尿病網膜症がどのくらいなのかが分かっていないそうです。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/019962.php

糖尿病網膜症は、糖尿病がよっぽど進まないと生じない病気です。そのため、少しでも網膜症が出てると言われた人は、全力で治す努力をしてもらいたいです。

 

もう一つは、内科の先生への連絡のためです。実は、糖尿病網膜症が生じた場合、糖尿病を急激に改善してはいけないのです。急に糖尿病を改善すると、あっという間に糖尿病網膜症が悪化することが時々あるのです。

 

クレジットカードやPaypayなど
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送迎バスが運行しており、手術後に
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